悲劇のヒロインはもう止める

□プロローグ
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六人がやって来たのはストリートのバスケコート


「んー…

確かここで練習してるハズなんスけど…」

「あれじゃないか?」



コートには1人誰かがコートを占領していた




ダン…ダン…ダン…ダン…



一定に弾むボール











ダン…ダダン…ダン…ダン…ダンダン…








「!(リズムが…)」













変わるリズム


変わるスピード


予測不能の動き










あれは









ストリートのバスケ…


六人の目は既に釘付けになっていた。





『フゥ…』



誰かの溜め息で全員が意識を取り戻した



「朱里っちぃぃいい!!」


『!!』


「は!?アイツがお前の友達!?」

『黄瀬…』

近くに寄ってきてようやく顔がハッキリした。





肩よりも少し長い黒く美しい髪


少しつり目気味の何もかもを見透かしているような瞳


バスケをしているには小柄な背丈





「黒木朱里…」


赤司がポツリと呟く


「?


赤司っち知ってるんスか?」

「お前は馬鹿か」

「狽「きなり何スか緑間っち!!」


「”黒木朱里”


バスケをしているなら知らない奴は居ないのだよ…」

「”黒猫”でしょー?」


『…その呼び名、好きじゃない…』







”桜田中学 黒猫”

試合にはあまりでてきた事はないが、

彼女が稀に出た試合は無敗

彼女の出る試合に勝つ事はできない

男子であったなら、彼女もまたキセキの世代と呼ばれたであろう。


そんな彼女に畏怖の意を込め、








不幸の象徴である”黒猫”と呼ばれ、



敵味方関係なく恐れられている










『黄瀬、今日は全中の決勝があるから見に来ないって言ってなかったか?』

「そう思ったんスけど、皆に朱里っち紹介したくて!」




『フゥン…

じゃあ無駄足だったみたいだね
お互い、もう知ってるみたいだし…』

「いや、無駄足ではなかったよ

素晴らしいプレーを魅せて貰ったしね」

『確か…赤司だっけ?』

「あぁ、そうだよ。

明日は女子の決勝戦だったよね?
一応僕達も観に行くつもりなんだ。

頑張ってね」

『まさかキセキの世代の主将様に応援して貰えるなんてね…

ま、明日自分が出るかは分からないけどね…』

「明日は出る気ないの〜?」



黒猫が試合に出るのは気紛れだという

試合に出ないのは黒猫の我が儘だという噂もある

『別に試合に出ないのは自分の我が儘なんかじゃないよ



自分は…同中の奴らにも嫌われてるからね』

少し寂しそうな目をする朱里


『ま、声援は素直に受け取っておくよ』














「オイ」


『なんだい?









            青峰大輝』


「なんかよく分かんねぇけどよぉ…

取りあえずお前強いんだろ?
1on1やろーぜ!」


挑発的な目で朱里を見る青峰


『確か…君は自分と同じスタイルだったね…








良いよ  殺ろっか』

「「(ねぇ 殺るって…殺るって言ったよこの子)」」




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