悲劇のヒロインはもう止める

□プロローグ
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ダン…ダン…ダン…ダン…





コートの中心に居るのは青峰と朱里の2人だけ

他の5人はコートの外で2人の試合を観戦していた





ディフェンスは青峰、
オフェンスは朱里





「なかなか動かないですね…」

「互いに隙がないから動きたくても動けないのだよ」





しかし、その沈黙は破られた


朱里が攻撃を仕掛けたのだ






小柄な背丈を利用し、出来るだけ前のめりになり、スピードを上げた


しかし、ただ突っ込んでも簡単に止められる


そこで、青峰の目の前ギリギリで一度急ブレーキをかけ、再び前のめりになり、スピードを上げた




「「!!」」

「今のプレー…青峰君そっくりでしたね…」
 

「イヤ、厳密に言えばスピードは黒猫の方が上だ…」






青峰を抜いた朱里

それを追いかける青峰



「(コイツ速ぇ!!

俺が追い付かねぇってどーゆうことだよ!?)」






ダァァァアン!!





   





初めて見たんだ






青峰が抜かれるところを



    




女子がダンクを決めるところを






   

人があんなに高く跳ぶところを










タンタンタン…







ダンクを決め、力が加わらなくなったボールは

バウンドの高さを少しずつ失い転がって行った





  

『自分の勝ちだよ』



「…」

 















見つけた…













俺の欲しいヤツ!!






「はははっ…アッハハハハハハハハハハハ!!!!!!」



『!?(壊れたか!?)』


「いやぁ…

テツが言ってたのは本当だったなぁ…

俺より強い奴なんかすぐ見つかるって…





朱里!!」

『…何(何で名前…)』


「明日の試合、ぜってー勝てよ!」



興奮気味に喋る青峰に引き気味の朱里だった。


  


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