腐女子高生・Middle&Seasonモノ置き場3

□腐女子高生のもしもの話しJ
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神崎兄弟の遥か後ろから、完治と渚、ナカムーにチー、鈴花が走って来た

斎は、ニコッと笑って皆を迎える


「美少女天才魔導師・斎ちゃん、無事でごじゃりまして候♪」


しかし、斎を見るなり、ばっと頬に手を添えて、確認して来たのは、渚だった

「や、やめてくりゃれ」

斎が嫌がると、渚は離れる



「斎の口調が変って事は、怒り冷めやらぬ証拠でしょ!」



チーが険しい顔で指摘する

「斎、これでとりあえず拭いて……」

鈴花がウェットティッシュを差し出した
それを渚が受け取り、傷口を拭いていく

「でも、顔に傷付けるなんて、同じ女の子かよ」

やっぱり、難色を示す完治に、斎はキッと見据える

「同じ女性だからじゃん
女の子だから、効果的な事がお出来になり申す故に♪
顔にお傷も、他人様に出来るのですわよ」


顔に傷や砂が付き放題、髪もバサバサで、制服も乱れているのに、平然と健人の上に座りついている斎
まぁ、口調が変なのを除けば、いつもと変わらない


「ほら、ブレザー脱げ、とりあえず止血だ」


斎の首根っこを摘み上げる誉の反対の手には、近くのドラッグストアの袋が揺れていた

派手な出血ではないから、縛り上げなくても良いだろうが……


斎を膝の上から下ろし、健人はナデナデと斎の頭を撫でた

「頑張ったな、斎」

「?妾(わらわ)、なにも頑張ってねーわよ?」

「……お前、実は相当キレてんだろ?」

健人の言葉に、ドSに笑う斎





「いかにも、怒りと認識できないくらいには、感情が高ぶってございますわね」





キレてる、キレまくってやがる!!

健人はまた、別の意味での斎の恐さを知った気がした

ブレザーを脱ぐ斎の傍ら、ドラッグストアの袋から、タオルや消毒液を出して封を切っていく誉

「斎の顔、跡残らないよね?」

本気で狼狽える康人に、斎は笑う

「残らないと思いますわ♪
頬は浅いし?ネイルで引っ掻かれ申しまして、殴らた被害は、お口の中だーね」

笑いながら、誉に腕を突き出す
買ってきたタオルを傷口の上から押さえて、手を上に上げさせる

「萩原、ここを押さえて止血しろ」

「う、うん……」

誉は言うと、ネクタイを解いて斎の腕の肩に近い方にギュッと結び付けた
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