腐女子高生・Middle&Seasonモノ置き場3
□腐女子高生の花嫁騒動?(康人の場合)
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臨戦体勢で飛び出してきた斎と被服部の少女
しかし、被服部の少女は、ピクッと何かに反応すると、トルソーとアイロンを手放して、代わりにカメラを持った
「さ、女の子達、写真撮りに行くよ!」
この瞬間、旧知である斎以外の全員が、何故彼女が被服部なのか解る気がした
「変わり身早っ!!」
斎がツッコミを入れたが、彼女はいそいそと鈴花のドレスの裾を捌きだした
「行くって、何処に行くの?」
最もな疑問は、康人の口から発された
斎は言われるまでもなく、学校の敷地内に有る候補を幾つか考えていた
何処に行くにしても、ドレスだと大移動だ
自分とナカムーは何とかなるにしても、チーと鈴花は裾が長いし、ベールも長い
「う腐々♪
やっぱり、講堂も良いけど、教会よね♪
行事にしか使わないんなら、こんな機会に使うべきなのよ!」
被服部の少女はウキウキと準備して、斎に向き直る
「不知火ちゃん、新聞部にレフ板借りてきて♪
後、職員室でカギも♪」
「言うと思った」
斎は、メイクボックスを渚に渡しながら心得ていると頷く
斎は被服室を出ようとして、裸足だった事に気が付いた
仕方ない、と上履きに足を突っ込む
その何だかアンバランスな出で立ちで、被服室の出入り口に向かう斎
「じゃ、現地集合ね♪」
颯爽と出ていくその姿は、アンバランスなのに何故か爽やかだった
レフ板を抱えて校内を走り回る斎は、黙っていても目立つ
職員室に行った時は、扉を開けただけで沈黙が落ちた
そりゃ、ウエディングドレスでレフ板を引っ提げた女の子が出てきたら、思わず絶句はするだろう
中にいた教師も生徒も、唖然呆然と注目している
しかし、そんな事はお構いなく、斎は担当の教師にカギを貰うと、颯爽と教会への道を急いだ
玄関で制服のローファーに履き替えると、パタパタ走り出す
教会の入口の前で、鈴花のドレスの裾を持ち上げている健人や、チーのベールを持っている誉を発見する
「おっまたせーっ♪」
A班のど真ん中に走り込んできた斎は、真っ先に教会の扉に突進した
ゴシックなモチーフに使われるような重厚感あるカギを、斎は鍵穴に差し込んで、金属音と共にカギを開けた
滅多に開けられない神聖なる場所
その扉を、斎は開け放つ
「う腐々♪
やっぱり、ドレスときたら、それなりの場所でないとねっ!!」
真っ先に、被服部の少女は持っていたカメラや、康人に持たせていたライトをセットしだした
斎は、ナカムーの手を引いて、祭壇の前に導いていた
程なくして、被服部の少女の独壇場で撮影会になるのだが、彼女はA班男子を下男の如く使っている
渚は、仕事現場のようだと思ってメイクを直すチーにメイクブラシを渡した
健人も誉もレフ板を高々と掲げさせられて、完治は被服部の少女の踏み台にされている
唯一、今回は例外で被服部の衣装ではない斎は、邪魔にならない場所で座っていた
ぼーっとして、ステンドグラスから落ちて来る光りを見上げている
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