腐女子高生・Middle&Seasonモノ置き場3

□腐女子高生のもしもの話しJ
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「あはっ♪
鈴花の回復呪文かけてもらってるみたいだわっ♪
これはこれで収穫♪」

ただでは起きない斎は、この期に及んでもネタ探しをしているらしい
しかし、誉が消毒液を頬の傷に当てると、浸みるのを我慢して、歯を食いしばる

「口の中は直ぐに治るだろ
咥内用の薬でも塗っとけ」

そして、誉は腕の傷も手際よく処置を施していく
用がすむと、絆創膏やら消毒液やらを斎に押し付けた
斎の傍から、誉が退けると、完治が斎のシャツをめくり上げた

「なっ!なにす……」

抗議をしかけて、だけど、完治の珍しく険しい顔に、斎は口をつぐんだ
斎の腹や背中に残る青い痣が生々しい

「……動くの、辛いから、タケちゃんに乗っかったままだったんでしょ?」

「カンちゃんって、変な所で鋭いな
ちょっとだけ、脇腹のが痛かっただけでございますわよ
後は大した事無いから、大丈夫で候」

Vサインをして、斎はシャツを下ろした


「大した事無くても、痛いでしょ?」


ホントに痛そうな顔のナカムーに、斎はクスクスと楽しそうに笑った

「ホントに痛いのは、あたしではございませんわ」

ブレザーを羽織り、斎は髪を一房、口元に持って来ると、健人に視線を移した





「マジで痛てぇは、あたくしより、兄君でしょ?
あの娘の本性、暴かれたくなかったんじゃござんせんの?」





ドロドロして、毒々しい女の子の裏の顔

まざまざと見せられた気分はどう?
でもま、兄君よりもっと痛い思いを味わせてやったのは、あの娘達なんだけどねぇ


「斎が一番、身体が痛いだろ?
俺は、痛いんじゃなくて、怖いぜ
この事態でも笑ってられる斎が、一番怖ぇ」


言いながら、肩を竦めて見せる





「クスッ、斎が何もしなくても、報復はしっかりするよ♪僕が直々にね♪」





天使の微笑みを浮かべて、でも、何時もに増してどす黒い暗黒オーラを遠慮無く流して、渚が言う


瞬間、全員が固まった


正確には、斎と誉、渚意外、真っ青になって、あわあわしていた
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