腐女子高生・Middle&Seasonモノ置き場3

□腐女子高生と花嫁騒動?(完治の場合)
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斎の手を握り、完治は叫んだ





「オレの純潔、斎ちゃんに捧げるよ!!」





瞬間、辺りの空気が氷点下に下がった

皆、物申したい事が出てくる前に、完治の言葉にダメージを喰らったようだ
当人の斎は手を捕まれたまま、考え込むように瞑目する

文章と、意味合い的に考えてみるが、どうも完治が新境地を改革したいのかしら?くらいにしか考えがまとまらない

斎が深い溜め息と共に目を開けるのと、健人のツッコミとは、同時だった



「カンちゃんは純潔じゃねーだろ!!
つーかむしろ、純潔を喰い漁ってる方だろ!!」



すぱーん!

完治の頭から、スリッパのイイ音がした

流石、健人、遊び人同士良く分かってる!!

と、皆の心の声が一致した

「……まぁ、純潔の意味も幾つかあるけどね
未だ達した事の無い未知の領域で、身悶えたいなら、そういう意味では、そっちに限定して真っさらな純潔と言えなくないわね」

斎なりの解釈は、完治にはある意味救いであり、皆には欄外だった

「さあ、カンちゃん?
火攻めが良い?
それとも、水攻め?
なんなら、木馬さんにも乗ってみる?」

いやにウキウキと目を輝かせる斎
花嫁姿で、えげつない意味合いの言葉を言った上に、それがある意味とっても高尚なご趣味であった

天使の笑顔で、後光が射しているような錯覚すらするのに、言葉は地獄だ

「俺とは別の意味でドSだな」

誉は、真っ白になり口から魂が出ている完治を眺めた

「……時々思うんだけど……斎って、もしかして残虐なるR18指定なのかな」

鈴花は首を傾げる
もはや斎は自分達の理解するエロを、いろんな意味で超越していて、賭博以外のR18に難無く適応している気がする

「……まぁ、歩くエロ魔神じゃないだけマシかな」

「いやいや、斎ちゃん!
道行くお姉さんの胸とかお尻とか、オヤジ目線で物色してる人が、何言ってるの!!」

流石に復活した完治がツッコミを入れた

「あたしは、カンちゃんや、兄君みたいに、素敵なお姉さんを、お持ち帰りして、美味しくいただいたり、してませんが?」

一言づつ、区切って噛み締めるように言う斎の目は、剣呑に細められ、軽蔑の色がありありと見て取れた

それでも……それでもだけどね……

斎と出会って、ズルズルと騒動に巻き込まれて、何だかほだされてから……
いや、斎にはまり込んでいる自分を自覚してからは、それまで派手に遊んでいたのも控えた
控えたというより、どうしてもと……一日付き合ったら忘れる、とか、大事な人がいると理解された上で、とか……そんな場合でしか、女の子と付き合っていない
それは、健人にも言える事で、自分からナンパのハシゴはしていない
二人とも、断りきれない時だけ、女の子と遊んでいる

それでも……斎でいう、いやん♪なお仕事は無いとは言えない
言い訳は出来ない、斎の言う事も一理ある
だが、斎が思っているより、数は少ないはずだ

言い訳がましいが、言ったら、解ってくれるだろうか
この、三次元的男嫌いの斎に……

いや、でも……





「斎ちゃんが止めろって言うなら、もう女の子と遊ばないし、二人で会ったりしないよ」





もう一度、斎の手を掴む

「斎ちゃんが嫌だって言うなら、合コンも行かない
純潔な俺になる」

汚れを雪ぐ、と言うことだろうか?

「あのねぇ、あたしはカンちゃんの彼女でも嫁でも、ましてフィアンセでもないのよ?」

しかし、一昔前の斎なら、蹴り倒していそうな距離と触れ方に、自分も丸くなったもんだと、変に感心した

「……えーと……カンちゃん、お取り込み中のトコ悪いけどな?
殴られたくなかったら、その辺で止めとけよ?」

肩を叩く健人の目が、笑ってなかった
たらり、と完治の背中に冷や汗が流れる

「いや、それより何より、あたしは着替えたいんだけどね……
ヅラもカラコンもしてないし、キャラも演じてない、衣装着ただけで成り切ってないコスプレを晒し続けるなんて、職人として不覚だわ」

斎には、男子の都合なんて、有って無きが如くだ
正直、知った事じゃない
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