腐女子高生・Middle&Seasonもの置き場

□腐女子高生の恵比寿女子文化祭?@
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文化祭当日、斎が大きな紙袋を幾つも引っ提げて、校門にいた
代官山の面子を見ると、紙袋をわっさわっさ揺らして近づいてくる
いや、むしろ、紙袋が歩いているようだ

「待ってたわよ、皆の衆!
ギリギリになったけど、衣装を用意したわ
一人ずつ袋詰めしてるから、舞踏会には更衣室で着替えてよね!」

なんだか、やっと疲れが取れたような、半分やつれたような顔の斎が、挨拶もそこそこにA班の皆に紙袋を渡していく

「ありがとう♪
斎がいると衣装の心配無いんだよね♪」

「ん腐♪
当然よ、弟君!女の子チームも完璧だから、皆決まるわよ!」

身体から、重みが消えた斎は、肩をぐるぐるしながら踵を返す

「あたし、これから、クラスの出し物にクラブや委員会の関係で走り回らなきゃだから、皆楽しんでってね〜♪」

歩きかけた斎の肩を健人が掴む

「で、肝心のお前のは?用意したんだろ?」

「ん、まーね♪」

にやり、斎は意味ありげに笑うと、健人の手を離させた

「運が良ければ、イイモノが見れるかもよ?」

ひらひら、手を振りながら、斎は校舎に消えていく

「誰か、何か聞いてる?」

健人も康人も、誰も斎が何をするかなんて聞いてないし、女の子チームも何も言わなかった

ならば、まず、パンフレットを見ねばと、一行は運営本部に向かった





体育館のステージでは、終日何かの催しがぶっ通しであるようで、バンド演奏からマジックまで様々なモノがタイムテーブルに列んでいる
放送部は、放送室をブースに、終日、文化祭特別ラジオ番組を放送、中には、落とし物やその他の放送もあるしく、放送という放送を、一手に引き受けている

校舎の中も、色んな催しが目白押しで、どこから回ろうか悩む

食べもの屋はもちろんだが、お化け屋敷とかバザーとか、駄菓子屋も有る

「何処から攻めよーか?」

「あー、まずは斎や鈴花のクラスじゃね?」

鈴花達のクラスは、誰が仕切っていたかモロに伺える


コスプレ喫茶


斎が大活躍したに違いない
メイド喫茶ではないが、斎のコスプレ魂が燃えないワケが無い





「あ、いらっしゃいませ、皆♪」

いち早く健人達を見付けたナカムーが、扉の前で笑っている

「ナカムー、可愛いじゃん♪」

「でしょー♪
チーと鈴花も可愛いよ♪
チーが桜で、鈴花が鈴蘭、私が向日葵なイメージなんだよ♪
その他、アリスモチーフな娘とか、オスカルモチーフな娘とか、色々♪」

ナカムーが扉を開けて皆を中に促した

統一性は無いけれど、皆可愛いコスプレで喫茶店を運営している

「皆、いらっしゃいませ〜♪」

鈴花が振り返る
成る程、確かにスカートとか、鈴蘭を模していて、ぴったり似合っている

「眼の保養……癒されるね、タケちゃん」

日頃、野郎ばかりの中にいると、目の前の光景が、とても癒しだ

「誉君も渚君も、ゆっくりしてってね
こちらのハーブティーがオススメです」

チーがすかさずメニューを持ってきた
桜というより、チェリーブロッサムという感じの衣装は、ふわふわのワンピースだ

「ねぇ、斎は?」

康人の疑問はご最も
さっきから、斎の姿は無い

「あぁ、斎は図書室で朗読の手伝いに行った後、体育館で用事が……」

「朗読?」

「うん、図書委員は朗読会をするの」

「午前中のロミオとジュリエットの朗読のメンバーが、クラスの関係とかで都合が付かないらしくてね」

「で、斎が駆り出されたの
因みに役はロミオの友達」

代わる代わる、鈴花達が説明してくれた
斎の走り回る、は、伊達ではないようである
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