腐女子高生・Middle&Seasonもの置き場
□腐女子高生の恵比寿女子文化祭?B
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健人が体育館の出入り口に戻ると、完治が目敏く首の異変に気付いた
「タケちゃん、どーしたの?それ……」
キスマークなら、まだ解るし、健人なら、なんら不思議は無いが、アレはそんな色気のあるモノではない
何で歯型?
健人は、罰が悪そうに首の歯型に手を触れた
まだ痛いのだ
何が愛を込めてだよ……痛すぎるっつーの!!
「……見りゃ解んだろ?
噛まれだんだよ……いや、咬まれたのが正しいか?」
「神崎兄の首に食いつく、酔狂な趣味の奴がいるとは思えないな
とすれば、雲雀か
また、妙なちょっかいをかけに行ったんだろ」
今回ばかりは、誉に反論できない
迫って返り討ちにされたのだ
なけなしのプライドが、口外に出来ないと奮い立つ
「別に、関係ないだろ
斎の奴、吸血鬼ヒバリンとヴァンパイアがお揃いで、萌えてんだよ
咬み殺/される前に、吸い殺/されるぜ」
「どっちにしても、その歯型の正体は斎みたいだね」
渚がクスクス笑う
「どんな話をしたのかは聞かないけど、斎に噛み付かれるような事はあったんだね」
市ノ瀬の笑顔が……怖い
健人の顔が引き攣る
「でも、斎……健人君に噛み付いて……後が怖くないのかな?」
鈴花が心配そうに呟いた
「大丈夫なんじゃない?
幾ら健人君のファンでも、歯型の主が斎だなんて、突き止めようが無いと思うし」
「ナカムー、それは誰も見ていなかったらの話だよ
健人君のファンなんて、うちにはネズミのようにゴロゴロいるんだよ?」
「あはは、タケにはイイ薬だよ
バレたって、どうせタケが悪いんだし」
サラっとひどい事を言う康人に、ますます立つ瀬がない健人
「まぁ、タケちゃんがちょっかい出したいのも解るけどね〜☆
さっきの斎ちゃん、セクシービューティだったし?
ね、誉♪」
「何で俺に振る」
「さっきから一生懸命に無表情だからじゃん♪このむっつり」
「誰がだよ
雲雀がどんなカッコしてようが、中身は地球外生命体な事に変わりは無いだろ
今更そのあたりを議論しても、雲雀が純粋で従順な乙女になり得ないのは周知の事実だ
俺が一々、そこに突っ込むかよ」
憮然と言い放つ誉に、女の子チームの冷たい視線が突き刺さる
しかし、哀れなモノを見るような瞳で、誉をとくと眺めた後、鈴花は遠い目をして視線を逸らす
「斎、次は男装ホストだっけ?
それとも、被服学科のファッションモデルだっけ?」
「……あのバカ、どんだけ着替える気だよ
孔雀か?」
誉は眉間を揉んだ
もしかしなくても、運が良ければ、良いものが見られるかもしれないというのは、斎の七変化なんだろうか
「この時間からなら、茶道部じゃない?
点前する人間が回らなくて、受付頼まれてたから」
「じゃあ、和服か……手伝いに行かなくて良かったのかなぁ……」
「どんだけパワフルなんだよ」
俺と別れた時は高笑いしてたぞ?
「そりゃあ、斎にとっては、楽しいお仕事だからね
コスプレ魂が伊達じゃないのは、知っての通りだよ」
チーが言うと、物凄く納得できる