family
□全て嘘
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『ん・・・。』
目を開けると真っ先に、天井が見えた。
なんでだろう。
いつもは二段ベッドの上の段の裏が見えるのに。
私は不思議に思い、起き上がった。
『・・・っ・!』
起き上がったとたんに火傷の痛みが体じゅうに響いた。
それでもなんとか座った。
そこで横に視界をやると、誰かが寝ていた。
顔を覗いてみると、慧にいだった。
私はこのままでもダメだと思い、慧にいを起こした。
『慧にい〜。』
慧にいはいつものようにすぐに起きてくれた。
慧にいは
慧「ん…?あ、あいり!起きたんだねっ♪」
なんて言って私に抱きついてきた。
火傷のところに手がかすり、すごい痛みを感じたけど、それを隠して私も慧にいに腕をまわした。
『慧にいずっといてくれたの?』
慧「うん!だって心配だろっ?」
慧にいはいつも優しい。
そんなところがモテてるんだろな…。
『ありがとう、慧にい^^』
慧「いえいえ♪」
私達は笑いあった。
そのあと、宏太にい達みんなが入ってきて賑やかになった。
私は机の前に座り、宏太にいが持ってきてくれたご飯を食べた。
大「それにしても〜いきなり倒れる、って…なにがあったんだ?」
『ううん!ただの疲労だと思う!知らなかった?私、最近頑張ってるんだよ♪』
雄「でも倒れるまで頑張ってたなんて…勉強でもしてたのか?」
『うん!』
私は嘘をついた。
皆にバレないように、まれにある嘘を。
だから皆は簡単に信じてくれた。
皆…ごめんなさい。
裕「そっか…でもあまり頑張りすぎないでね?また倒れるようなことがあったら俺たちは勉強禁止令をだすよ!」
『はーい。なにその禁止令(笑)』
涼「つーか、あいりは勉強しなくてもいけるだろ!」
私が勉強しなくてもいけた日なんてあったかなあ。
『いけないよ!』
私は天才じゃないんだから…。
それから2時間程度、その部屋で皆といた。
お話したり、ゲームをしたりなどして久しぶりに皆で遊んだ。
その日はこの部屋で皆で寝ることになった。
でもベッドは無理に決まってるから、床で寝ることに。
今聞いたんだけど、この部屋は宏太にいの部屋らしい。
だからベッドが一つだったんだ。
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