JUMP短編

□君へ
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光side


今日はなぜか急に仕事がなくなった。


でも俺には好都合だ。


愛しの薮に会える時間が長くなるから。


俺はすぐに薮の病室に来た。


やっぱり薮は寝てる。


光「薮!今日の仕事なくなったんだぜ!だから今日はずっとここにいるからな!」


無反応。


やっぱり…さみしい。


光「薮ー…薮ちゃん…。」


起きない。それどころか無反応。


光「なんで…っ!なんで起きないんだよ…!薮…起きろよ薮!…ッ!」


気づいた時には俺は涙を流していた。


光「ダメだ…っ…薮の前では泣けない…ダメなんだ…。」


俺はすぐに涙を拭いて、薮の手を握った。

少しでも、目を開けてくれることを願って。


しばらく薮の手を握っていた。


時刻はもうお昼。


俺は昼食を買いに行こうと手を離そうとした。


その時、一瞬、薮の指が動いた。


確かに動いたんだ。


薮の感覚をまだ俺は覚えてる。


光「薮…?薮…。」


起きて、起きてくれよ薮。


薮「……ンッ…。」


薮の口から少し、声が漏れた。


そして数秒後、薮の目がゆっくりと開いていった。


光「薮…?薮?…薮!?」


薮が起きた!?←


薮「ひ…かる…?」


薮が喋りにくそうだったため、呼吸器をはずしてあげた。


薮「光…ひか、る…。」


光「薮…薮起きたんだね。良かった…!」

俺と薮は抱き合った。


薮は少し泣いていたけど、俺はちっとも泣かなかった。


だって、せっかく薮が起きたのに、そんな時まで涙を見せられないだろ?


光「あ、ナースコール!」


薮「え、ちょ、光!!ダメだよ!」


ナースコールを押そうとすると、薮にとめられた。


光「いや、でも伝えないと…。」


薮「内緒にしよ?大丈夫、俺はなんともない、大丈夫だから!」


そこまで言うなら…。


光「う〜ん…わかった!」


俺は伝えないことにした。


薮「ありがとっ♪…でも〜…なんか病室ってつまんないねえ。ベッドから見えるものは空しかないや。」


薮はつまらなさそうに口をあひる口みたいにした。


俺はその口に軽くキスをして言った。


光「じゃあ抜け出すか?」


薮の顔はだんだんと真っ赤になった。


やった。これが俺が見たかった薮。


可愛い可愛い薮。










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