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□酷くなる悲劇
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私はその場に座り込んだ。


『あっはは…ずぶ濡れだよ…。』


強がってても涙は強がりさえもきかなかった。


どんどんと溢れんばかりの涙がでてくる。


『…ッ…なんで…!…許さない…皆のこと…道具だって…絶対…!』


そんなこと言っても何もできないことが分かってる。


だから私は心の中で憎しむ。


私は立ち上がり、置いてあった鞄を持って学校を出た。


ずぶ濡れだけど気にしない。


まわりの視線も痛いけど気にしない。


家も近いからすぐに着く。


…乾くわけないか。


少し歩いて、家に着いた。


やっぱり乾いてないか。


ドアを開けて中にはいるとなぜか皆が出てきた。


宏「あいり!やっと帰って…!?」


宏太にいも皆も驚いてる。


だよね、ずぶ濡れなんだし。


やっと帰ってって…そんなにも学校にいたかな?


腕時計を見ると6時。


まったく気づかなかった。


光「あいり、なんで濡れてんの!?」


涼「どうした!?」


そんなに言われても言えないのが現実なんだよね。


『別に、何もないよ。』


そう言って上がった。


龍「何もないことはないよね?理由もなく濡れるはずがないよ。」


『ホントに何もないから。気にしないで?私、部屋にいるから…ご飯できたら呼んで?』


そう言ってから階段をあがり、部屋に行った。


風邪引くかもしれないけど、そんなことどうでもいい。


『…手首、バレなくて良かった。』


学校でバレてたら今頃リビングに連れ込まれて会議だよ。


幸い女子達にもバレてないし。


そう思うと私って結構ついてるのかも。


もう長袖着ようかな。


クローゼットを開けて長袖を取り、着替えた。


下は短パンで。


…長袖大きいな。


短パン隠れちゃった。


でもいっか。手首隠すためだし。


『はあ…いつまで続くのかな…。』


考えたって仕方ない。


あ、そう言えば、携帯はどうなってるのかな。


携帯を取って電源をつけてみる。


改めて驚いた。


新着メール657件。


…きすぎ。


そのうちの一件を開いてみる。


“デリヘルしてるってホントー?”


デリヘル…?


デリヘルってなに…?


なんのこと?


意味わからなくて、また電源を切って引き出しに眠らせた。


ベッドに倒れ、抱き枕を抱えた。
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