family

□知らない
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宏「人…?」


言われてみればそう見える。


でも河川敷に人が倒れているわけがない。


でもそれがもし…。


嫌な不安ばかりが積もる。


ここにいてもたってもいられない。


宏「行ってみよう!」


光.大「「うん!」」


俺達は橋の下におり、黒い影に走って近づいた。


この時にはもうすでに認識していた。


その黒い影は人なんだって。


大「だいじょ……!!」


光「大貴!どう、し…た……!?」


俺自身も絶句した。


その場の黒い影、それは紛れもなくあいりだった。


宏「な、なんで…!?大丈夫かあいり!おい!」


あいりの姿はボロボロだった。


制服はほとんど破け、下のタンクトップが見えている。


泥だらけで、また顔に傷。


腕にしている時計も割れていた。


光「何があったって言うんだよ…!」


大「と、とりあえず家に!」


ここでじっとしててもダメだ。


俺は立ち上がり、あいりの横に座った。


上から大貴が、自分が着ていた半袖パーカーを被せた。


あいりを抱き上げ、光はあいりの靴や鞄を持って、足早に家へと向かった。


大貴はその間に皆に知らせ、家に帰るように言ってもらった。


抱き上げていたあいりは想像以上に軽く、細かった。


最近、あいりが妙に食欲がないように見えていた。


ご飯は残す。けどお腹が空かない。


だからか、こんなにも細く、軽いのは。


まずは、あいりの安全が先だ。
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