family
□知らない
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家に着くと、他の皆は先に帰っていた。
部屋に入るなり、皆してドッと近づいてきた。
それほどあいりが心配なんだろう。
とりあえずソファーに寝かす。
今はもう23時。
このまま皆で見守りたいところだが、学校がある。
宏「学生達はもう寝な?後は俺達に任せて。お前達は明日も学校だろ?もう夜も遅いし、遅刻してしまうから。」
侑「でも…!」
宏「大丈夫、あいりは絶対に大丈夫だから。」
涼「・・・ん、わかった・・・。」
学生達はリビングを出ていった。
少しすると、階段をあがる音が聞こえた。
さあ、あと残ったのは俺、光、慧、雄也だ。
慧「あいり〜…。」
光「無反応って悲しいだろ。」
慧「うん、でも仕方ないや。」
雄「本当に、どうしたんだろうねあいり…。最近、おかしいと思わない?」
宏「顔に傷をつくってはいつも誤魔化すしな。あいりに何が起こってるのかまったく分からないな。」
慧「俺さ、この間…あいりの手首に包帯が…って言ってたじゃん。あの時、あいりは長袖だった。何かを隠してたんじゃないかな。手首の包帯、あれはなんだったんだろう。」
何も分からないあいりのこと。
分からないことにはあいりを助けられない。
俺は…俺達は、あいりを助けたい。