family

□負けない
3ページ/8ページ



授業が始まった。


先生が必死で話しながら黒板に書いていく。


生徒はノートをとってついていく。


私はというと授業を受ける気にならなかった。


だから何かと理由をつけて抜け出す。


『先生、ちょっと気分悪いので保健室に行ってきます…。』


ちょっとした演技も兼ねて。


先「そうか。行ってきなさい。」


私はすぐさま教室を出ていくあてもなかったから保健室に行った。


保健室に行くって言ったんだからいいよね…。


幸い、中に入っても誰もいなかった。


ベッドがある場所に行ってベッドに座った。


そこまでは良かった。


でも座ったとたん、なぜか保健室のドアが開く音がした。


今は授業中だから誰もいないはずなのに。


誰か調子悪い人でもいるのかな。


先生がいないことを伝えようとベッドから立ち上がり、先生の机がある場所へいった。


そこで私はびっくりした。


『え…5人とも何してるの?』


机に座っていろんなのを物色している涼介。


立てってにっこりする侑李と裕翔。


頭を掻いている大貴にい。


保健室にある本に手を伸ばしている圭人にい。


皆、それぞれが違うことをしてる。


だけど目線だけはこっちに向いていた。


大「あいり…大丈夫かなーみたいな。涼介達が俺らのクラスにきて…。」


言う順番を変えよう大貴にい。


涼「あいり、ホントに気分悪いのか?あいりのことだから違うとこ行ってんのかと思ったよ。」


『…別に、あまり悪くないよ?ただ授業が嫌になっただけだからさ。あんまり気にしないで?』


それにしても5人はどうやって抜け出したんだろ。


でもたいして気にならないのが私。


裕「もしも気分が悪くなったら言ってね?倒れたりしたら手遅れなんだから。」


『うん、多分。』


多分って返事、結構おかしいな。


まあいっか。


倒れたりしたらって言っても…今すぐにでも倒れそう。


貧血かな?


ストレスかな?


どっちかわかんないや。


まあいい、皆が来たからには安心して休めない。


屋上にでも行こっと。


保健室から出ようとした時、手首を誰かに捕まれた。


しかも包帯を巻いてあるほう。


あれからもずっと切ってたからまだ痛い。


だけど我慢できる痛さ。


我慢して後ろを振り向いた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ