JUMP短編2

□もう
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なんで









なんで俺は嫌われてるんだろう。










今日も同じ。


『キモい、死ね、消えろ。』


『調子のってんじゃねーよ。』


『お前なんかいらねーんだよ。』


なんで俺はこんなことを言われるのか。


答えは一つ。


俺は生まれてこなかったら良かったんだ。


俺は邪魔な存在。


俺はいらない存在。


だったら俺はどうすればいい?









そうか。






涼「消えれば良いんだ。」




なんだ、簡単なことじゃないか。


俺はキッチンから包丁を持ち出し、自分の部屋に戻った。


幸い、家には誰もいない。


消えるには好都合だ。


姉ちゃん、母ちゃん…ごめん。


こんなお兄ちゃんを持っていた妹も。


俺は母ちゃんに強いねと言われて育ってきた。


でもさ、母ちゃん。


俺、案外そんなに強くないんだ。


ホント、恥さらしだよね、こんな長男。


俺ってやっぱりいらないな。


ならはやく消えてやる。


母ちゃん、皆、今までありがとう。


俺は包丁を心臓あたりに近づけ、ひとつきで刺した。


俺…もっと強い男に生まれたかった…。


強く生まれなかった俺を…憎むよ。


涼「また…生まれ、る…ことが…でき、たら…もっと…強い、おと…こ…に…」


俺は、少しずつ意識を手放していった。


最後に俺の目に映ったのは、壁に飾ってある家族写真だった。


俺は涙を流しながら意識を失った。







end


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