JUMP短編2

□悪魔と死神と
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君は悪魔で俺は死神ー…たとえなくてもそうだよね。


悪魔の君はなんでも虜にしてしまう。なんでも魅了してしまう。


だから悪魔の君に誰もが恋をするんだね。


それにかわって俺は死神。


死神…むごいな。


誰も目を向けてくれなくて、存在を忘れられてるようで。


俺なんか死神でももったいないくらいじゃないか?


いつも言ってた。


慧「俺達ってさ、悪魔と死神だよね。」


大「何いってるの慧。そんなはずないでしょ。俺達は天使と神なんだよ?」


天使と神…。


天使が大貴で神が俺?


そんなわけない。


両方とも大貴が一番お似合いだ。


狂ってしまった俺にはもったいなさすぎる。


死神でももったいないというのに。


慧「ははっ…はははっ…。」


なんか笑えてきた。


自分の狂いに笑えてきたよ。


目の前にある愛しの大貴の遺体をみて笑えてきたよ。


こんな俺ってさ、おかしいね。


やっぱり俺は死神か…。


死神って人が死んだって涙を流さないよね。


今の俺と同じだ。


大貴が死んだっていうのに涙なんて流れない。


逆に笑ってるし。


俺の心には悲しみがないのか?


さあ…知らね。


でもただ1つ言えるのは最愛の人を無くしてしまったということ。


俺の手に握られてる包丁。


俺の服に付着している大貴の生暖かい血。


目の前に倒れている大貴の死体。


大体予想つくだろ?



















そうだよ、俺が殺したんだ。


大貴が誰の目にも映らないようにね。


大貴は誰にでも優しくするからさ、だから皆大貴を好きになるんだよ。


まあ気づいてない大貴も大貴だけどさ。




















あれ、今気づいた。


悪魔どこにいるの?


目の前にいるのは大貴だけ。


悪魔はどこにいるんだろう?


もしかして、いなかった?


悪魔なんて存在しなかった?


悪魔は大貴。大貴は人を魅了してしまう悪魔。


本物の悪魔はどこにいった?


もうこんなこと考えるのめんどい。


慧「はは…あっははは!」


俺…いつまで笑ってるんだろ。


つまんね。


もう死んでしまおう。


大貴が死んでしまったんだし、俺には生きる意味がないな。


大貴の笑顔が見れないなら俺には生きる価値がないな。


死んだら大貴に会えるよな。
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