しょーと

□まぁ全部お前の責任ってことで。
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がくぱろ!!!!




いつも通りのつまんねー授業で、いつも通りの何もない放課後で、いつも通りの幼馴染みとの帰り道で、いつも通りに俺の家に行って、いつも通りにダラダラと過ごす、はずだった。でも、それを変えたのは自らの手で、ただたんに少しちょっかいをだしてやろうと思ったんだ。

「カシムー何してんだよー」
「いーこと。ちょっと黙ってろって。」

俺の家の俺の部屋。そして俺のベッドなのにも関わらず我が物顔で寝転ぶアリババ。それに多少イラッときたがもう見慣れた光景なので放っておいて俺はDVDのセットを続ける。後ろで不満と好奇心のまざった視線を受けながら俺は密かに口角をあげた。セットが終わり、リモコンを持ったままアリババのいるベッドに近づくと目を輝かせていた。いぬみてぇ。ぽすりと腰を沈めるとアリババは「何してたんだよ」と案の定問いかけてきた。

「見ればわかるって」
「ふーん…」

百聞は一見になんちゃらってな。俺はそれだけいって手を伸ばして部屋の電気を消した。不思議そうに俺の不可解であろう行動を見ていたがそんなアリババにまたもや「お前のためだよ」とだけ言ってリモコンを手に取る。そしてこの前買ったばかりのDVDディスクに向けて、再生ボタン。
そして数秒後には俺が挿入したDVDの映像が流れ始めた。
最初は、和やかな生活、スクールライフ。古くからの男女の幼馴染み同士はもちろん幼い頃、幼稚園から現在の、高校までずっと一緒。純粋で、お互いを本当に良い幼馴染みとして支えあっている。前置きなげえな、と密かに考えていたら話は俺の心を読んだかのように急展開。
ある日ノックもせずに入った女の幼馴染みは男の自慰行為を見てしまう。そして欲情にかけられている男は数十年間一度も見せなかった顔を見せて女に襲いかかるー
最初は普通の顔をして見ていたがアリババだが、男の自慰のシーン辺りで目を見開いて固まる。その頬はほんのりと赤かった。そうして話が進むにつれその色はしだいに増していき、ついには顔をうつ向けてしまった。

「あの、かしむ、これって、」
「あ?AVだよ見てわかんねーの?」
「え、えーぶ・・・」

今では最初の爽やかなスクールライフとはうってかわって男が女の体を激しく貪っていた。演技じみた台詞で「いやいや」という女。演技ヘタクソだなーなんて呟くとアリババは下を向きながらぼそぼそと喋ってきた。

「っつかカシム、どこからこんなモン・・・」
「センパイ。まじでスゲーからお前も一回見とけってさ。」

「正直そーでもねーけどな」といってから反応を見せないアリババの方をむくとそこには真っ赤な顔をうつむかせてきゅっと唇を噛んで内股気味になっているアリババ。その姿になんとも言えないものを感じたがあえて自分自身にはそれの正体を問いかけずアリババの方を向きながらからかってやる

「ああ、何もしかして見んの初めて?」

悪い悪いと薄っぺらい言葉で謝る。しかしその手のからかいには敏感なアリババがにすら答えない。その顔をのぞきこもうとしたら、アリババはすっとんきょうな声をあげて壁側に後ずさって逃げた。その顔は赤いだけでなく目には微かな涙を浮かべていて、思わず固まった。突然二人の間に訪れる謎の沈黙、のバックミュージックはAV女優の喘ぎ声だけで、それが余計に恥ずかしかったのかアリババふいと顔をそむけた。暗い部屋で、TVの淡い光に照らされる顔は赤くて涙を浮かべていて、恥ずかしそう、で。

(おかしい、なんか、)

俺はアリババの腰に手を伸ばして撫でた。危うい手つきで。ビクリと過剰反応しておそるおそるこちらを見上げてきたアリババに酷く加虐心を煽られた。

正直に言おう。俺は今欲情している。TVの中で喘いでいる女よりも、目の前の幼馴染みの男に欲情していた。グイッとその腰を引き寄せれば「うわっ」と言うなんとも間抜けな声をあげてこちらに倒れこんできた。そして故意的に俺の者を太ももに押し付けるとアリババが息を飲む音が聞こえた。

「ぁ、え、かし、」
「なあ、アリババ。」

そういやさっきみてたAVもこんな内容だったな。そう思いながら俺はベッドに男の幼馴染みを押し倒した。







まぁ全部お前の責任ってことで。

責任とれよ?そう言った俺の言葉はあまりにも無責任で身勝手なものだった。






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