秘密警察特殊部隊

□第一章〜隠された秘密の特殊警察。
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「ちょっと!こっち、こっち!」
「だーかーらー!これだってば!!」
「桜ぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

聞こえてくる声。
重い書類。
そして怒鳴られる一人の少女の名前。

「だっから!なんなんですか!!!!」

彼女は間の前に立つ年上の男にあまりの大変さに腹が立ち、逆ギレをする。
すると目の前にいた男は眉を寄せながらこう聞いた。

「……オイ、オマエ……誰に口きいてる……」
「藜(アカザ)さんです……」


しばらくの沈黙が続く。
少女は大量の書類を両手に抱えていた。
目を細めながら少女を見る男。
しかし、たぶんまだ年は……男、というよりは青年ぐらいだろう。
その青年は少女を見下ろし、睨みつける。

「わかってて、……やってるのか?」
「だってですね、ちょっと仕事大変すぎますよ!!」
「そんなの誰だって一緒だぁぁぁぁぁぁ!!」

火山噴火。
そしてその災害をくらうのが少女であった。
デスクの上はすでに書類だらけという様に。
逃げ回る少女をその青年が追いかける。
周りは日常茶飯事のように苦笑したりスルーしたりと
個人個人にやり過ごしている。

時間はもう夕方。
空にあった太陽はもう沈み始め、
彼らは登りだす。
太陽は赤く彼らを照らした。

「オイ、桜、そろそろ仕事じゃないか?」
「あ、そーだっ!!えー、パートナーは〜……」

まるでさっきのケンカは嘘のように普通に話始める二人。
少女はペラペラとなにか書類をめくっていた。
そしてその書類に書いてある日付の仕事パートナーの欄を目にして、
少女は身を固まらせた。

「……。
 あれ……見間違えかな〜なんか藜(アカザ)さんの名前が……」

そう言いながら少女は目をこする。
これは嘘だとでも言いたげにするその行為は、
さらに青年を煽る。
すると青年はニヤニヤと怪しい笑みを浮かべた。

「……俺とだ。
 ……ふっふっ、さぁ行くぞ桜ぁ!!」
「ぎぃやぁぁぁぁぁぁ!!」

青年は少女の首を掴みながらドアへと引っ張る。
少女は必死に嫌だと叫ぶがそれは誰の耳にも届かない。
またそれも日常茶飯事のようで、周りは気にしなかった。

「で?今日はどんな仕事だ」
「……なんか、ヤクザらしいですよ〜」
「はぁ……まぁでも楽しくなりそうだな……」
「楽しくなればいいですね〜」

そして二人は怪しい笑みを浮かべた。
ただならぬ殺気を起こして。
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