秘密警察特殊部隊

□第二章〜閉ざされた記憶
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黄緑の刺繍が入ったカーテンが風にゆれる。
へんなものばかりが置かれた机。
とくにそんな綺麗というわけでもなく、どちらかと言えば少々散らかっている。
開けっぱなしのクローゼット、中にはたたまれた服が積んであった。
ぎっしりと詰まった本棚。
中には漫画や小説、科学の本などが置いてる。
乱れた布団。
そこに寝るのは一人の少女、桜。
この小さい………と言っても小中ぐらい…
その歳で一番隊隊長を務めている。

ジリリリリリリリ

ただうるさく鳴る目覚まし時計に彼女は目を覚ました。

「くぁ、、起きるか……」

手を目覚まし時計に伸ばして止める。
彼女は立ち上がって着替えをはじめた。
普通の女の子ならもっとこう、可愛いだとかそういうのに気をつかうだろう、
だが彼女はちがった。
彼女が着るのは軍服。
下は七分丈ぐらいのスボン。
どこでも見るような軍服。
そしてそのままドアを開けた。

「今日は………あ、仕事があんのか」

とかぶつぶつ独り言を言いながら向かうのは食堂。

ここの食堂は上手いと評判の食堂。

誰と話すことなくただ静かに食べる。

「随分起きるのが早いわね」

今自分の通ってきた方から女の子の声がする、
そちらの方を向くと、

「すば…いえ、総長と一緒じゃないだけ感謝しなければ」

とても凛とした声、顔。
ツインテールをしたその女の子はツカツカのヒールの音を鳴らしながら食堂に入ってくる。

「なに、嫉妬してんのかい」

また食事に戻り顔を見ないで話す。
きっとその少女は今セルフバーで何かをとっているだろう、
と考えながら、

「嫉妬?馬鹿な。私は貴方が総長といると総長が汚れてしま…」
「黙れ。それに私は好きで近づいてなんかない」
「ほぉ…随分な言い訳だわ」
「そーいう貴方こそ、総長が好きなの」
「だったら?」

彼女たちはどちらも挑発的に話す。
だが、

「ごちそうさま………」

そう言ってそのケンカの止める合図となった。
残されたのはツインテールの少女独り。
ただ食器が交わる音だけが響いた。

ーーーーーーーーーーーーー

少女は独りなにかを探していた。
机にあった書類がない、……
この書類はもの凄く大切なものだったのに……
とごにいったんだろ……?

焦る。
どこにやったのか。
思い出してみよう、昨日その書類をもらって、
目をとおして、そのあとこの引き出しに入れた。
それ以外では触ってないのだ、ないはずがない。
するといきなりお腹の辺りがくるしくなる、そう思って見てみると、

「やっほ。桜ちゃん元気してるぅ?」

総長だ………
心底うんざりした顔をしながら言った。

「総長、仕事は?仕事はどうしたんです?」
「え、…………終わったけど」
「嘘つけぇぇ!!!!!!!」
「ほ、ほんとだって!」

少しだけ疑いを感じながらも私は聞いた。

「総長、あの、私昨日書類貰ったじゃないですか、」
「うん、あげたね」
「アレ、知りません?」
「……………なくしちゃったかなぁ?」

ニヤニヤした表情で言う総長に私は焦りながらも言った。

「ほんとにすみません、……でもないんです!!」


「ふふ、謝らなくていーよ、居場所知ってるから♪」
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