イロイロ
□水恋
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これはまだ潤とリオの気持ちが通じあっていない頃の話ー……
「いや〜腰のラインがなかなかエロくね?」
「いや、ここは胸を見るべきだろ」
「胸から尻にかけてのラインが大切だ。」
「「「なぁ、潤はどう思う?」」」
太陽がギラギラと照りつける夏真っ盛りの今、
いつものように水泳部男子逹は泳ぎ上がってくる女子逹の麗しい体を見ながら
あーだこーだと言い合っていた。
その中の一人、潤と呼ばれる彼は仲間の問いかけには答えずに、
ただ一人の女の子を見つめる。
「………………」
「?…おい、潤?じゅーん?」
「…え…?あ、なに?」
今気づきましたとばかりにハテナマークな顔をする潤に、
仲間の男子達はあきれ顔。
「だから、女子の体の話だよ」
「あぁ………うん、で?」
「どこ基準にしてトップ「女子の体」を決めるって話」
「ふーん。やっぱそこは腰のライー…」
「ン」と言おうとした潤の頭を一つの拳が勢いよく降ってきた。
「アンタ達!!!いっつもエロい話ばっかしてんじゃなくて泳ぎなさいよ!!」
よく響く声が男共を叱りつける。
しかしもうその声には慣れましたとばかりに
男子達はつまらないといった顔で言った。
「だから、こっちもいっつも言ってんだろーが!!
可哀想なリオ様の体には興味ありませ…ほぶ!?」
そんなことを言った男子にもまた拳は降りかかってくる。
しかしリオも年頃なのだ。
少なからず自分の体のことは気にしていた。