秘密警察特殊部隊

□第三章〜恋焦がれた独孃狼(ドクジョウガ)
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「藜すわぁぁぁぁぁぁん」
「き、気色悪いッ!!!!」

私は今大変な事態に陥っていた。
私は学生である、○。
勉学は学生の仕事である、○。

勉強がやばい。
いくら私も秘密警察の一員だから少しの学校側での免除があったとしても…………

やばい。
ほんっとにやばい。
少女は青年にせがむように祈願していた。

「藜さんは勉強できますか?」

 • • • • •

しばらくの沈黙。
「ハッ、馬鹿を言うな。私は警察という仕事をするが故そんなのはやらんでいい。
まぁ、もちろんオマエのような学生の本業は勉学だかなッッ!!!!」

……………あの、あの。
あの藜さんが………勉強は出来ない?
少女は独り硬直する。

ーーーーーーーそしてふいに。
ふいに、ふっ……と、笑ってしまった。
やはり、完璧な人間などいないのだと。
出来ないのは自分だけじゃない………

「笑うな。なにが可笑しい。その変わり警察という仕事に
責任をもって………そして誇りに思いやる。それが俺だ」

瞳を輝かせる。
いや、うん。確かに藜さんのことを尊敬はしていた。
けれど、この人がここまですごいなんて………思いもしなかった。
誇りに思う………か。
私にも、そう思う時がくるのだろうかーーーー

なんて格好良いこと言ってる場合じゃなぁぁぁぁい!!
そうだ、やばいんだった!!

「じ、じゃあ藜さん、勉強出来る人知りませんかっ!?」
「勉強………してるトコを見たことがないからな………ん………寿?」
「寿さん?………あの人が〜?」
「嗚呼、出来る、というような噂をな」

まぁとりあえず行かないことにはなにもならない!
行くか!!!!

「で、どこに居るんですかね?」
「確か今から処理に行く所だろう」
「えッ!?じゃぁ急いで行って来ますっ!!」

はやくしないと、寿さんが行っちゃう!
そう言って少女はノートとシャープペンを持って行く。
走る。
少女は玄関を通り抜け、駐車場へと向かう。
普通に駐車場、と書かれているのではない。
出動車特別幹部専用場。
こんな漢字ばかりが並んだ所。
本部で働いてる幹部の中でももっと偉い、特別幹部たちの車が置いてある。
そこにはもちろん藜さんの車も。
そこで寿さんの車を探すのは簡単だ。

「あっ!!!!あった〜………」
「待ってたよ、桜ちゃん」

自分の車に背を預け、こちらに微笑んでいる青年の姿が。
その姿は例えると王、とも言える程に美しい。

「え……待ってた?私今回仕事でしたっけ?」
「いや、なんか直感的にさ、」
「直感的〜〜?またまた、そんな」
「ほんとだよ、なんか桜ちゃんが来る気がしてさ、
話なら、これから仕事あるから車で聞くけど?」
「あ、じゃあそれでお願いします」

すると寿さんは助手席の方へ来てドアを開ける。
そしてニッコリ微笑みながら言った。

「ホラホラ、レディファースト…っていうでしょ〜♪」
「ぅ、あ…!!!!…///////……お願いします……」

いやぁ、総長以来だ、こんなこといわれたの。
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