秘密警察特殊部隊

□第6章〜「ブラックkiss」〜
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「ぁ…………紅葉さ、ん………」

桜の声はすでに震えていて……
確かめるまでもなかった。

だが、その声はすぐに元のものへと戻る 

「さぁ、帰りましょうか」

月明かりに照らされてこちらに向かい微笑む、桜。
なんでこんなにも強い子なのだろう。
どうして頼ろうと、
こんなときまで泣こうとしないのだろうか。

「桜ちゃん…………」
「はい?」
「……どうしてそこまで強がるの」
「え……………?」
「…泣けばいいじゃんか」

ここまで桜を誰が強くさせた?
昴の意志などなにもわからない。
二人の視線の先には昴とスミレ……
顔を離す二人。
微笑むスミレ。
そこからスミレは自室へと戻り昴はこちらへ歩いてくる。

さっき別れたはずのスミレがなぜいるのだろうか。
「バイバイ」と手を振って別れた昴がなぜここにいるのか。

桜は泣き崩れる。

「そ、、ちょ………!!!」

その桜を支えながら紅葉は暗い声で言うのだった。

「昴!!……………………」
「……ぇ………紅葉となんで桜が……!!!もしかして今の……!!」

もう迷うことはない。
進め。
守りたい人のために。

「昴………ちょっと顔かせよ……」
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