夢小説

□お願い、仕事増やさないで!
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「『善吉ちゃん!』」
「なんすか球磨川先輩」
「『僕彼氏ができたんだよ!』」
「ぐほっ」
生徒会室に入ってきた元生徒会副会長職球磨川禊、どんな用かと思えばいきなり爆弾を投下された。
気を取り直して眼鏡を押し上げ、指をパチンと鳴らすと生徒会庶務職虎居砕が現れ無抵抗の球磨川を羽交い締めにした。
「お帰りねがえ」
ポイと球磨川を廊下に放って、パタンとドアを閉める師匠。
廊下から抗議の声が聞こえるが、全く気にしない。
「いいんですか会長、生徒会が一生徒の声を無視して」
「よく思い出せ虎居、あの会話の中の何を聞けって言うんだ」
我ながら正論だ。
めだかちゃんから勝ち取って譲り渡された生徒会長として一人でも多くの生徒の悩みには乗ってやりたい俺だが、あれはもはや悩みではないただのノロケだ。
――と言うのは建て前で、俺だってめだかちゃんと忙しくてロクに話せてないのに球磨川の色恋沙汰なんて……色恋沙汰
「…なぁ虎居、さっき球磨川が最後に言ってた言葉聞いてたか?」
「はい。確か『僕彼氏ができたんだよ!』でしたよね」
え。彼氏?
彼女じゃなくて?
無言でガタンと立ち上がると虎居が不思議そうに俺を見上げた。
「球磨川が呼んでるみたいなんでちょっとしばいてくる」
「え?会長?」


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