夢小説

□人殺し高校生
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『葉月くんってさ、あと一歩が足りないよね』
昨日菊池くんが言ってた。
『あと一歩?』
『自分の気持ちは相手に伝わってると思ってる』
菊池くんはいつも鋭い。
だからこそ僕は他人事じゃないと思って耳を傾けた。
『一人よがりって言うか…たぶん必要あっても極力他人とは話したくないんじゃないかな』
よく分からないけど、そう言って菊池くんはどこかに行った。
『菊池くんって鋭いよね』
『あ、僕もそう思った』
市川くんが笑った。
僕も笑った。
『…確かに、自分の気持ちは言わないと分からないよね』
『そうだね』
だから葉月くんに話しかけるわけじゃないし、余計なお世話だと思われるかもしれないけど、僕はきみと話をしたい。
「葉月くん、よかったら一緒に弁当食べない?」
「菊池と市川は」
「今日は二人とも休みなんだ」
「ふーん」
「…いいよ」
「本当?」
「ウソ言ってどうすんの」
「そうだね…」
「…葉月くんはいつも何のゲームしてるの?」
「戦闘系」
「面白い?」
「まあまあ」
「……」
「敵をさ」
「え?」
「思いっきり殺すとすっごいスッキリするんだ」
「そ、そうなんだ…」
「やってみる?」
「い、いいよ」
「ふーん」


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