夢小説

□もう少しだけ待ってくれない?
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誰が俺を必要とするだろうか。
俺が死んでも誰か悲しみますか?
「あの、葉月くん」
「なに」
この声は、市川――
「え、と…よかったら一緒にお弁当食べない?」
「…いい」
「一緒に食べようよ…っ」
これは一ノ瀬――
「いい」
「なんで?一人で食べてもつまんないじゃん」
これは菊池――
「つまるつまんないで弁当食べてないんで」
「ふーん、だってさ行こうよ二人とも」
「俺たちいつも屋上で弁当食べてるから…よかったら来て」
「……」
行かないよ。
そう言えなかった俺は臆病者だ。
本当は三人に混じって食べたい。
一人で食べてたって、なんにも楽しくない。
つまんない。
ガコン
自販機でお茶を買う。
しゃがんで元の姿勢に戻ると、背後から視線を感じた。
振り返ると菊池がホット専用の缶ジュースを飲んでいた。
「なんか用」
「俺も自分で気づいたわけじゃないから偉そうなこと言えないんだけどさ」
ガコン、とごみ箱に缶ジュースを投げる。
「言わないと、伝わらないんじゃない」
それだけ言って戻っていった。
分かってるよ、そんなこと。
言われなくても、だからさ――


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