夢小説

□ひねくれ兄弟
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球磨川るい。
言う必要性は全くないけれど、もし説明するとしたら「球磨川るいは球磨川禊の生き別れた双子」だ。
兄である球磨川くんとは正反対な性格で、現在は箱庭学園の三年三組に所属している。
真面目で普通に普通の優等生だ。
「『あ、るいだー。元気してた?母さんとは上手くいってる?』」
「兄さん、元気だよ。上手くやってる」
「『…そっかあ。』」
兄さんは少し、ほんの少しだけ残念そうな表情をした。
いつだって兄さんの思考は読むことが出来る。
なんて言ったって僕と兄さんは双子なんだから。
「兄さんは一人暮らしにはもう慣れた?」
「『もちろん!楽しいよ』」
「よかった。たまには帰ってきなよ」
「『それは断る。僕はもうあの家の子じゃないんだから』」
「兄さん…」
「『あ、そう言えば』」
兄さんは思い出したように口を閉ざした。
僕はメガネを押し上げ、兄さんを睨んだ。
「『母さんと上手くやってるようで、よくなかったよ』」
「本当に変わってないね、兄さん」
もう会いたくないなぁ、と思いつつ、また会うんだろうなぁ、と思った。
だけどこれだけは言わせて欲しい。
「兄さんが変わってなくて、嬉しくないよ」


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