「どうしよう。」
「はい?」
「頭が痛い!まさか…死んじゃうかも」
「はぁ、頭痛で死ぬ人は聞いたことも見たこともないですねぇ…」
「でもこの痛み。間違いない!…のうしんとうかも」
「…………」
呆れて声も出ないとはまさにこのことだ。
一応解説していくと、頭痛で脳震盪は起きないし脳震盪で死ぬこともない。
それ以前に脳震盪は何かに強く頭をぶつけないとならない!
ちなみに何で断言しておいて「かも」になってるんだ。
「以上のことから葉月先輩は中二病にかかっていることが分かる!」
どんっ
と、効果音が鳴るならこうだ。
しかし効果音は鳴らないし誰一人として俺を見ようとしなかった。
しくしく悲しい。
「『ばっかじゃねーの?中二病なんて病気あるわけねーじゃん』」
「先輩なのに敬意を払いたくない…なに言ってんですか、あんたかかってんでしょーが」
「『いやいや僕にはそんな子供じみたものは卒業したぜ、今は…』」
「ああいいです聞かなくて…で、葉月先輩は一体何が悩みなんですか?」
「…実は、私!球磨川くんのことが好きなの!」
「『!』」
「…………」
「告白したいなぁ、とは思ってるんだけど、彼ああみえて色々忙しいから…なかなかタイミング掴めなくて…」
「その問題、解決したんじゃないでしょうか」
「え?なんで?」
「だって」
だって居るもの!
なんなら俺たちの話、頷きながら聞いてるもの!
なんて言ったら、さすがにマズいよなぁ。
なんて言えばいいんだ?
見るからに葉月先輩は中二病タイプだし(誰かなんと言おうと中二病という病気はあるんだ)ヘタにいますよとか言っちゃったら慌てるよなぁ。
「えーと、葉月先輩?」
「?」
「もしかしたら球磨川…先輩に想い伝えたんじゃないでしょうか」
「え?」
「だから一応球磨川…に自分が球磨川をどう思ってるか知ってるか聞いてみたらどうでしょうか?」
「…うん!分かった!ありがとう善吉くん!」
笑うと可愛らしいんだけどなぁ。
「球磨川先輩、後は任せました」
「『オーケー任せといて』」
任せました、なんて本当は微塵も期待してなかったんだけど、意外にも球磨川先輩が快…いのかは分からないけど了解してくれた。
「あ、球磨川くん…あのね球磨川くんって、私の好きな人知ってる?」
「『…うん。知ってるよ、僕でしょ?』」
うわあ、これ端から見たら球磨川先輩ただの痛い人だ。
「…知ってたの?」
「『うん。2、3年前に聞いた気がする』」
「そうなんだ…で、ずっと言いたかったんだけどまじきもいんたけどオールフィクションとかださっネーミングセンスないなお前ウケるあと好きって言ったのこれ言うためだから本当勘違いとかしないでお前好きになるとかまじありえねーから」
「『…………』」
「!?」
「ありがとうございましたー」
「…もしかして葉月先輩ってさ」
「『うん。多重人格だね』」
ちゃんちゃんっ