さむ……っ
家に帰って手探りでヒーターを探して点火する。
明るいのはあまり好きじゃない。
人工的な光はなおさらだ。
目が慣れるのには時間が掛かる。
それまで暫くぼーっと突っ立っていた。
このまま、このまま。
このまま、闇に溶けてしまえればいいのにな。
「英二(エイジ)……っ」
「ったく、なにしてんだよ利一(リヒト)」
利一は私の仕事の上司である。
同じ会社だが、部署が違うから退社時間自体もそれぞれ違う。
「家に帰ったら電気つける、だろ?」
「……人」「人工的な光は嫌いなんだろ?知ってるよお前のことならなんでも知ってる」
そう言って私を優しく抱きしめてくれた。
見上げて唇を合わせると英二もそれに答えるように後頭部を強く押さえた。
「んっ!」
「大丈夫、俺はここにいる」
ちゅっ、ちゅっと水音が響く。
頭がぼーっとする。
なにも考えられない。
なにも考えたくない。
「利一、愛してる」
「私も……っ英二が好」
んっ!
腰あたりの上着をたくし上げられ冷たい手が触れる。
そのせいで言葉が続かない。
「あっ、あっ……おかしくなるっ」
胸にある二つの飾りを弄られ、変な声が漏れる。
「おかしくなれよ」
俺に乱れて。
英二が上着を脱いだ。
逞しい身体に目を奪われる。
「世界中の奴らがお前を必要としていなくても、俺がお前も必要としてる」
だから。
「くっはっ、」
痛い。
慣らされていないためキツくて、苦しかった。
でも私はどんなことをしても英二と繋がりたくて、必死に耐えた。
「あっあっあっ!えい、じっえいじっえいじっ!〜〜〜!!」
ドクドクと身体が痙攣した後、ドロドロした物が私の布団を汚した。
英二と私の顔と身体にも白い液体が飛び散っていた。
「綺麗……」
英二の頬に手を伸ばすとその手を握られた。
ちゅっと手の甲にキスをされ、愛しそうに微笑んだ。