Where there is a will, there is a way
□一章
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気づいたら知らない場所だった。
「...じいちゃん?」
さっきまでじいちゃんと一緒に寝てたはずなのに。
「...ここどこ?」
暖かい布団に包まれていたはずなのに、今は知らない道に座っている。辺りは真っ暗。誰もいない。
「...じぃちゃん、ひっく。じいちゃん...っ。」
なんでこんなところにいるんだろう?じいちゃんに会いたい...。
「うえぇ...っ。」
寂しい。誰もいない。
視界が歪んでく。涙が零れ落ちる。
「ひっく...っ、うえぇぇん。」
「...誰かいるん?」
いきなり、声が聞こえた。聞き覚えのない声だから不安。
「あそこじゃね?水無瀬。」
「あ、ほんとだ。何でこんなところに...ていうかなんでこんな時間に...。」
「知らね、俺先帰ってんぞ。」
男の人の方が女の人にそれだけ言って足を進めようとしたら、女の人は男の人の服を全力で引っ張った。
「待て待て待て!うちを1人にするつもりかい!うちだって子供の相手ほとんどしぃへんのやからおいてかへんでよ!」
「おい!伸びる!服が伸びる!!」
「ふはははははっ伸びろ、伸びてしまぇぇぇえ!気の利かないやつは伸びてでろんでろんになった服をみて嘆き悲しめばいい!!」
「なに言ってんだよおまえ!わかった、わかったから!離せ!」
ぱっと、音がするくらい急に手を離したから男の人が顔面からこけた。
「...っぐおぉぉっー...。」
「あら、悪気はないのよ。許してちょんまげ。」
「古いんだよっ!くっそぉてめぇ絶対後で殺すっ!」
「やってみればええやん。やれるもんなら。...ま、その前に。」
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