黒バス短編
□今を生きる僕たちは
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「青峰くん…!!」
「…テツ?なんでお前…」
「きみに・・・会いに来たんです」
「…そうか、久しぶりだな」
ちょっと嬉しそうな顔をして、僕の頭を撫でてくる青峰くん。
僕は青峰くんに聞いてみる。
「・・・青峰くん、もしも僕が、もう1度、きみとバスケをしたいって言ったら…きみは、僕と一緒に、バスケをしてくれますか…?」
おそるおそるだけれど、はっきりと聞いた。
「…テツ、お前の今の光は、俺じゃない」
「っ…分かってます!!でも、もしも出来るなら…!!」
「もしも、なんて言うな」
「…あお、みねくん…」
「俺はお前が好きだ」
まっすぐに、こっちを見て言ってくる青峰くん。
「だからこそ、後悔なんざしてほしくねぇ」
「…」
「お前と、仲間としてバスケをしたことを俺はずっと大事にしてる…もっと真剣にやれば良かったって、後悔もしてるけどな」
「…そう、ですね。きみがもっと真剣にやっていてくれれば、僕はこんなこと言わなかったし、一緒にまたバスケをやっていたかもしれない」
僕はクスリと笑った。
青峰くんはちょっとばつが悪そうにしていて、そんなところも好きなんだなぁと思う。
「テツ、もう行け。俺とお前は光と影より、好敵手のがいいぜ」
「…はい。大好きです、青峰くん」
少し寂しげに微笑んで、青峰くんは僕にキスをした。
僕は歩き出す。
青峰くんはまたゴールに向かってボールを投げ始める。
お互い前を向いて、後ろは振り返らない。
遠くに火神くんが見えた。
僕はそこに向かって走り出した。
今を生きる僕たちは
(後悔しながら、傷つきながら生きていく)