黒バス短編
□今を生きる僕たちは
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きっかけは些細なことだった。
帰り道での火神くんの一言。
「もし俺が今もまだアメリカに居たら、お前にも会ってなかったんだよな」
この言葉は僕にとって考えさせられるものだった。
もしも火神くんが今もアメリカにいて、
まだ、青峰くんの影だったなら…。
そんなことを考えたら、沢山のもしも、が溢れ出して止まらなくなってしまった。
今を生きる僕たちは
もしも僕が桐皇学園に通っていて
WCで誠凛に敗退をしていたら。
その時もしも僕がまだ青峰くんの影だったら
僕と青峰くんは笑ってバスケをしていたのかな。
いや、それ以前に僕が火神くんの影にならなかったら
青峰くんが孤独になることはなかったはずだ。
もしも僕が帝光中の時に青峰くんにもっとちゃんと説得ができていたら、
青峰くんがあんな風になることはなかったんじゃないか?
なんでなんだろう。
僕は青峰くんを一人にしてしまったのか。
僕は青峰くんが好きだし、青峰くんも僕のことを好きだと言ってくれていたのに。
どうして僕は今ここに居るんだろう。
隣に居るのは火神くんで
青峰くんではないのは何故だろう。
そして僕は思い立った。
もしも僕に
まだ青峰くんの影をやる資格があるのなら。
そう考えたら居てもたっても居られなくなってしまった。