文置き場
□夢のひと
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「姉さん…起きてるっスか?」
………返事がない。
まだ寝てるのかな……?
「失礼します…」
声を掛けてふすまを開く。
やはり……スヤスヤと静かな寝息を立て、まだ眠っていた。
何か楽しそうな夢を見ているのか、時折微笑んでいる。
「姉さん…朝餉の時間っスよ?」
思わず指で姉さんの頬をそっ…とつついた。
ん………と声を漏らしたものの、なかなか起きない姉さんを、俺は暫く見つめていた。
ふと…姉さんが優しく微笑む。
「か…可愛いっス…///」
一体…どんな夢を見てるんスか…?
やはり……あの人の…夢?
…姉さん…知ってますか?
俺……姉さんに惚れてるんスよ。
勿論二人の邪魔するつもりも告白するつもりもないっスけど…。
でも今は………もう少しこのまま…
貴女の寝顔を見ていていいですか?
貴女が
目覚めるまで―――――
君だけ永遠
心に誓うよ
君だけ永遠
ねぇ夢みるひと――
(了)