文置き場

□過去拍手文
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  シアワセノカタチ



「ただいま戻りましたー」

「おかえりなさい、慎ちゃん!」

「ただいまっス姉さん」


長州藩邸への御使いに行っていた慎ちゃん。
慎ちゃんは強いから大丈夫…
と思っててもこの時代、ましてや国を変えようとする彼らに敵は多い。

送り出す度に、今日も無事であります様に……と願い、無事帰りを告げる声を聞けば安堵する。


「お疲れ様、慎ちゃん。今お茶入れ……」

無事を確認し勝手場に行こうとする私は、あっという間にその腕の中に閉じ込められてしまった。

「え……」

「はぁ…やっぱり姉さんの顔見たら安心するっス…」

耳元で安堵のため息をつきながら、いつもより優しい声で呟く慎ちゃん。

「………寺田屋を出る度…姉さんに送り出される度、いつも“もしかしたらこれが最後かも…”って覚悟しながら出て行くッスけど……」

――…?

「姉さんの“いってらっしゃい”を聞くと、必ずここに帰ると願わずにはいられなくなるし……“お帰りなさい”って言われたら、本当に……安心するッス……」


慎ちゃん……
そっか。慎ちゃんも同じなんだね。

同じ様に思ってくれてるんだね。





「お帰りなさい、慎ちゃん」




私はいつも、貴方の帰る場所で居続けるから。
だから貴方も、いつまでも私の元へ帰って来て、その笑顔をいつまでも見せてね?






(……取り込み中すまないが…僕達が上がれないんだがね?)

(お前ら…場所を考えてやれ!)

(慎太………おまんもやる時はやる男じゃのう)




(了)
 
 
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