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□第九話 海賊バーグ
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「ぐえ!」



ドサッと体は落ち、気がつくとどこかの牢屋に入っていた。
ルフィはどうしたものかと鉄の格子を動かしてみたりするが無駄だった。
うーんと考えていると、チョッパー・ロビン・ブルックも少しして隣の牢屋に現れた。



「おぉ〜!お前らも来たのかぁ!」
「何喜んでんだよ!」



チョッパーは泣きながらルフィに突っ込むが、オロオロとして牢屋の中を歩き回る。
先ほどまでの海楼石の網はみんなの体から消えていた。



「さっきの網は消えたのに、まだ身体が・・・・?」



ロビンは不思議そうに見ていると、ガチャっと牢屋と外に繋がっているであろう扉が開く。
そこには体格のいい男が立っていた。



「あん?誰だぁ〜?」
「ははっは!威勢のいいガキだな。俺はこの船の船長のバーグだ!」
「バーグ・・・・?!」



ロビンは何かを考えたようにバーグの顔を見る。

「どうだ?海楼石で出来てる特注の牢屋は。海賊王になるって・・・?ゴム人間のお前が?」

まだ見せても話しても無い事をペラペラと話し始めるバーグ。
ルフィは不思議そうに頭をかしげている。


「え?!なんでお前が知ってんだ?」

バーグはチョッパーを見る。

「お前はトナカイなのに人型になれるのか・・・」
「俺のことトナカイって・・」

「お前はその見た目で音楽家なのか・・・・?」

バーグはブルックを見て、不思議そうに言う。
そして、バーグはロビンを見ると、高らかに笑った。

「はは・・・久しぶりだな。悪魔の子ロビンよ」

ロビンは冷や汗をかきながらバーグを睨みつけている。

「ロビン・・・あいつと会ったことがあんのか?」
「ははははっは!会ったというか仲間だったよな?一時期は・・・」
「っ・・・・!」
「まさかこんなところで再会するとは思わなかったぜ。そうか・・・。これであのガキとお前が手に入れば俺は最強よ!」

楽しそうに笑いながらバーグはその場を去っていった。
ロビンは唇を噛みながらうつむいている。

「ロビーン?あいつは?」

ルフィは牢屋に座りながら質問する。

「あいつは・・・・私が生き延びる為に利用した海賊の一人。でも、この海賊船だけはなかなか簡単には抜け出せなかった」
「どうしてだ?」
「・・・・あいつ、今のバーグは千里眼を持ってる」
「千里眼・・・・?」
「・・・・さっきルフィの心の中を見たのよ。だからゴム人間だってことも海賊王になりたいってことも言ってたでしょ?その人が強く思っていることをあいつは分かるのよ」
「そうなのか・・・・。だから俺のこともトナカイって・・・」
「だから・・・抜け出そうとしていることを見抜かれないようにするのが大変だったわ。知られたらこの海楼石の牢屋に入れられてしまうから・・・」

ロビンは牢屋を見渡す。
すると、牢屋の壁側から風が吹きぬけている。

「ここ・・・・」
「ん?どうした?ロビン・・・・」
「ヨホホ・・・風、吹いてますね」
「風・・・?」

すると、ブワッと強風が牢屋の中に入ってきたかと思うと、目の前にはリオが立っていた。

「「「「リオ?!」」」」
「みんな!無事だったみたいで良かった」
「お前!自分からこの海楼石の牢屋に入ってくるなんて!なに考えてるんだ!」
「大丈夫。私もこの牢屋に捕まってことがあるから・・・・逃げ道くらい知ってるわ」

さっきの風が入り込んでいた壁の隙間にリオが手をかざすとボコっと壁が崩れた。
その先には無数の糸で陸に続く道が出来ていた。

「さ!早く!ここから逃げましょう!」
「すっげ〜!!!」
「でもルフィの牢屋の方は?」
「大丈夫!ブルックさん」
「はい?」
「刀でこの柵を切ってくれる?」
「かしこまりました!」



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