●短編小説 vol.3●

□キミとの距離
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キーンコーンカーンコーン……♪


ガラガラ…



自分の教室と同じくらいの頻度で開けるこのドア





菜々『ん?…あれ?…』


用事の相手は…



タカシ『あっ菜々ちゃん!
あいつならトイレ行ったよー?』



いないのかー


菜々『そうなの〜?
…じゃあ勝手に借りよ〜っと…』


コトン…ッ

ゴソゴソ…


椅子に座って机の中に手を突っ込むと…


菜々『うわ!なに!?
机の中ゴミだらけっ!!
汚いなぁぁあ!!』


……



そのとき…


コンッッ!!


頭を軽くコツかれて…


菜々『痛ったぁ〜!!』


頭を触りながら後ろを振り返ると……

……




大倉『菜々ちゃーん?
なに人の机あさってんの〜?』


私の用事の相手は

この意地悪そうな顔してニヤっと笑ってるこの人…


菜々『おっ忠義!
英語の教科書貸して!!』


忠義『もぉ〜!また忘れたん?』


すぐに嫌味を言ってくるこいつ!


菜々『忘れたんじゃなくて見当たらないの〜
貸して!』



忠義『ほんますぐ無くすんやから〜
机ん中にあったやろ?』



菜々『もうゴミだらけで見つけられなかった!』


と返事をすると…

慌てたように顔を寄せて…


忠義『シィィィ!!
ゴミだらけとか大きい声で言うなってあほ!!』


……は?

…あほ……?


忠義は慌てたように周りを見渡した…


……!


あぁ♡忘れてた♡


菜々『あぁ〜!ははっ!
そうゆうことねぇ〜
色気づいちゃってぇ〜っ
サクラちゃんならいないよ〜』


サクラちゃんとは…
忠義と同じクラスの可愛い女の子でいま忠義が1番気になってる子ね♡



忠義『あほ!声でかいねん!
もぉ〜

英語な!!ほらっこれやろ!?』

はははっ

慌てちゃってー!

ちょっと顔赤いしー

……


って…….


菜々『ちょ…っ
ちょっとー!!
これ!私のなんだけどーー!!』



忠義『うそぉー?
あっほんまやぁ〜はははははっ!!
前借りたやつそのまんまやったな!ははっ』



菜々『もぉーいい加減にしてぇー!!
私が昨日からどんだけ探してたかぁぁぁ!!!』



忠義『嘘つくなよー!
昨日寝る寸前まで一緒にゲームしてたやん!ははっ』


菜々『っ!!そのあと!
忠義が帰ったあとに探したのーー!!』


忠義『あんなイビキかいてたのによう言うわ〜』


菜々『っシィィィ!!』



忠義『はははっお返し♡』


ニヤっと笑ってくるこの顔!!

憎たらしいー!


キーンコーンカーン……



菜々『あっ!行かなきゃ…
もう!忠義ー!貸し106に増えたからね!!』



背中から忠義の声…


忠義『菜々の貸し一個減らしたろかー?
まだ352もあるけどな〜』


ガラガラ…


ドアを閉める前に忠義の方を見て誰にも見られないように周りを気にしてから…

おもいっきり変な顔をしてやった!

一瞬だけ!笑


菜々『聞こえませぇぇえん!!
ばいばぁぁい!!』


この顔見せると忠義はいっつもお腹抱えて笑うから…笑


バタン!



大倉『はははっあほやなーあいつ!
いつか他に見られるでーはははっ

あぁー腹いたぁーははっ』



……


私たちは幼い頃から1番の親友です。

忠義のことは私が1番よく知ってるし。


私のことも…
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