●短編小説 vol.1●

□桜の咲く頃
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私の側でいつも笑顔でいてくれた君に何度救われたかな…

桜の咲く頃…君に伝えたい…


…………………………



母「菜緒ー!今日は学校行ける??」


菜緒『うん…今日はなんかお腹痛いの。休みたい…』


母「そんなことばっかりね。大丈夫?病院行く?」

菜緒『寝てたら大丈夫だから…』

母「そう?わかった。じゃあ学校に電話しとくね。お母さん仕事行くからね」

菜緒『はぁい…』


学校なんて行きたくない…

誰にも会いたくない…


…私はある事がきっかけで、学校に行けなくなってしまった…

まさか自分が不登校になるなんて…
そんな事思いもしなかった…


人間関係って本当に難しい。


もう誰とも関わりたくない…


そんな投げやりになってる自分に嫌気がさす…


いつものように…誰もいないリビングで1人テレビを見ていた…


その時…

Wメールが届きました。メールが届きました。W


メール…?

丸山メール『丸山隆平です。友達にアドレス聞いたで。今日も学校休むん?』

丸ちゃん…

丸ちゃんはいつも笑顔でおもしろくてみんなに好かれる人…

学校に行ってた時もよく話してくれて仲の良い男友達だった…

菜緒メール『メールありがとう。今日はお腹が痛いので休みます。』


丸山メール『そうなん?大丈夫?明日は来れるといいな!』

菜緒メール『ありがとう。』


本当に優しい人…この人は誰にでも優しい。

悩みもなさそうだし…

丸ちゃんみたいになれたらな…


長い一日がやっと過ぎていった…


次の日も私は学校を休んだ…


するとまた…

丸山メール『今日は来る??』

菜緒メール『今日も休みます。』

丸山メール『そうか。みんな来れるようになるの待ってるで。』


嘘…

私のこと待ってる人なんていないでしょ?

菜緒メール『ありがとう』


そしてそれからも丸ちゃんからのメールは毎日続いた…


そんなある日…


丸山メール『明日学校来てや。菜緒に見てほしいのあんねん。お願い!!』

えっ…どうしよ…




返事が出来ないでいると…

またメールが届いた…


丸山メール『無理言ってごめんな。でも待ってるから』


私は返事をしなかった…
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