海を愛する

□旅-2
1ページ/3ページ




ガチャッ


「どうだい、ソイツの様子は」



白髭海賊団一番隊隊長・マルコは近くのナースに尋ねた。


「あぁ、マルコさん。彼ならぐっすり眠っているわ」



ナースの言葉に、マルコは「そうかい」と返すと、医務室のベットに眠る少年の隣に腰を落とした。



マルコの独特な雰囲気に気付いたナースは、黙って医務室を出て行った。


「たくっ…オヤジも物好きだねぇい」



マルコはベットで深く眠る少年の長い前髪を顔からどかしてやる。


見た目は伸び放題の髪だが、触ってみればサラサラと触り心地がいい。


髪質良い奴だなぁ〜…と、マルコは密かに思っていた。



長い髪に隠れた顔は、まだ幼さを少し残すが中性的で綺麗に整っていた。

睫毛は長く、銀色に輝いていた。



「(本当にコイツ男かよい…;;)」



これで男なのだから、きっと女性は悲しむだろうなと、マルコはいろいろと場違いの考えを頭の中で膨らませていた。



「あぁ〜ん…そんなに見つちゃやぁ〜よvV」

マルコ「誰もお前何か見てねぇよい」



髪から手を離し、新たに来た来客にマルコは眉を寄せた。


「んな、あからさまに嫌そうな顔すんなよ…流石にへこむから」



そう言うサッチに、マルコは面倒臭そうに大きな溜め息を吐いた。


マルコ「にしても、珍しい来客だねい」



扉付近にいるビスタとイゾウの姿を見て、マルコはわざとらしく目を見開く。


ビスタ「まぁ、少し気になっただけさ」

イゾウ「俺もビスタと似たような理由だ」


サッチ「俺は個人的にww…で、マルコはどうしたの?」



サッチはニヤニヤと笑いながらマルコを見下ろした。


答えが分かって聞くのだから、腹立たしい。



マルコ「はぁ…お前らと一緒だよい」



マルコがそう言えば、三人はやっぱり、と言う横な顔をする。



それも仕方が無いだろう。
船に乗って早々泣きながら過去を話すのだから、気になる奴は居るだろう。



サッチ「愛を知らない…そんな事言われたら教えてあげたくもなるだろ」



サッチは少年の白髪に指を絡ませ、優しく梳いてやる。

それは壊れ物でも扱うかの様に優しい…。


それが気持ち良かったのか、少年はサッチの手にすり寄った。


『ん、…‥っ』



綺麗な眉を寄せた少年はサッチの体温に気付いたのか、うっすらと瞼が持ち上がる。


.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ