海を愛する

□旅-4
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*マルコ side*



末っ子(予定)のレオンを浴場に連れて行った後、敵襲があった。


まぁ、敵と言っても白髭海賊団の実力も知らないぺーぺー海賊だった。



それに気を緩めていたのだ、俺達は。





**********



浴場に続く廊下から出て来たイゾウとレオン。


その扉に一目散に走って行った船長を含めた数人の敵の船員。



イゾウは数人の船員を銃で打ち抜いたが、船長は見方を盾にしてそれを避けた。



船長はイゾウの後ろに居たレオンに気付くと、人質にとりやがった。


「「「レオンっ!」」」



レオンの顔は青白くなっていき、アイスブルーの瞳を大きく見開いていた。


怯えているのは直ぐに分かった。



しかしそれは喉元に刃物を当てる船長にではなく、

何か別のモノに怯えている様子だった…。



船長「はっ!そうとうコイツが大切らしいな…傷付けられたくなかったら武器を捨てろっ!!」



コイツの事だ。
頭に血が上ったら人質であるレオンを殺すだろう…。


俺は舌打ちし、全員に武器を捨てるように言った。



イゾウの射撃の腕ならぺーぺー船長など簡単に撃てるだろう。

しかしそれは撃った反動でレオンが刃物で切られる可能性がある。



初めてあった時の様な真似、混乱状態になっている今のレオンには無理だろう…。


だとすると、今は相手の言うことを温和しく聞くしかない。



船長「武器は全部捨てたな?!…よし、次は船だ!食料と宝を俺の船に運べ!」



歯痒い…

白髭海賊団一番隊隊長のこの俺が、

たかだか新米の海賊団に油断した結果がこれとは…


それは俺だけではないだろう。


隊長格や船員達は鋭く船長を睨みつけていた。

今にも飛びかかりそうな勢いで、肉食の獣の様だ。


それに俺も入っているのだから、どこか冷静に物事を考えている自分に苦笑する。



『…ャっ…』

船長「あ?…それにしてもお前、いい顔してるじゃねェか。」


『…ャ、だ…!』

船長「後でたぁっぷり、可愛がってやるよ」



何故か分からないが、敵の船長がレオンに触れる度に、

怒りが膨れ上がる感覚がした。



『‥ャめ…、』

船長「グヘヘヘ…」


『…はな、…し‥ッ』

「くそっ…!」



我慢が出来なかったどこかの隊の者が動いた。

それに釣られるように皆が動いた。


一番近くに居たイゾウが銃を拾い上げ、素早く構える。



が、

それよりも早く、船長が赤く染まる。





「ギャァァァ゛ァ゛っ!」


レオンは敵の船長の腕を切り落としたのだ。

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