神に愛される
□鈍感末っ子クン
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「おーい、こんな所で何して…って、本当に何してんの…」
声がした方を振り向くと、頭をかきながら呆れた顔で俺達を見るサッチさんと和服っぽい服を着た綺麗な人がこちらに向かって歩いていた。
oh…すっげぇ綺麗…こうゆーう人の事を“レイジン”って言うんだっけ。
サッチ「こら、エース。弟泣かしてんじゃねぇーよ」
サッチさんはそう言うと、エース君の頭を軽く叩いた。
『ぁ、サッチさん!俺が勝手に泣いただけだから…、』
「まぁまぁ、アレはただの戯れあいだから気にすんな」
サッチさんに事情を説明しようとすると、俺は綺麗な人に頭を撫でられた。
何かスッゴク楽しそうなんだけど…
「アキ、コッチ向きな」
『ぇ?あ、はい…』
綺麗な人にそう言われて、素直に体の向きを変える。
すると、両頬をその人の両手で包まれ、頬を伝っていた涙を親指で拭われる。
頬を優しく撫でられるみたいで、
気持い…。
俺は目を細めて、頬を触る手に擦り寄る。
「…お前、綺麗な顔立ちしてんなぁ…」
急に手が止まったかと思ったら、急にそんな事を言われた。
綺麗…?俺が…??
『俺に綺麗とか…ゴキブリに愛してるって言う様なもんですよ?』
ケラケラと笑う俺に、目の前の人は一瞬キョトンとするが、
俺の頬に添えていた両手を離し、片方を腰に、もう片方を眼に当て、笑い出してしまった。
……俺変な事言った…?
今度は俺がキョトンとしていると、その人は眼から手を外し、苦笑いしながら俺を見ていた。
「自覚なし、ってか…?」
『?何の自覚ですか??』
首を傾げる俺に、また俺の頭を撫でながら優しく笑った。
「まぁ、いずれ分かるこった…と、そう言やぁ俺の名前言ってなかったな…。
俺はイゾウ。十六番隊隊長だ」
イゾウさんは「よろしくな」と言うと、
顔を近付けて………
チュッ
目元に当たる柔らかい感触――。
『コチラこそ、宜しく……っ、ぅわ!』
イゾウさんに挨拶しようとするが、腕を引っ張られイゾウさん達から離される。
え、ちょっ!!
腕を引く相手を見ると、何か怖い顔してるエース君の姿が…
何で怒ってんのォォォ?!
え、何…俺、地雷踏んじゃったパターン…??
ドコ?!ドコで踏んだぁ?!
イゾウさんとサッチさんを振り返れば何かすげぇ笑顔で手を振ってるンですけどォォォォォ!!!!!
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