愛された結果

□-*過去拍手集*-
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『好きだ』『愛してる』



太陽の様な笑顔で愛を囁いていた貴方は


何時も俺の隣に居て


何時しかそれが俺にとっての当たり前になっていた。



誰かが泣いているのを放っておけない程優しい貴方は


今俺の前で


『別れよう』


と囁いた。


『好きな子が出来たんだ。だから別れよう』


俺の事は前から好きでは無かった様な言い方。


泣いている顔が嫌いな貴方は


こんな冗談を言わない。


だから冗談などではないのだと

すぐに分かった。



何も言わない俺を見向きもせずに


貴方は屋上を後にした…。


その背中かが見えなくなった瞬間


俺の目から一粒…また一粒と雫が流れ落ちる。


聲など出ないのに


目から落ちる雫は勢いを増す。









『好きだ』『愛してる』


俺にではない子に囁く貴方。


それを幸せそうに聴いている可愛い女の子。



分かっている…分かっていた。

同性同士では上手くいかない事くらい。


だけど、だけども…俺は幸せと感じていた。



そんな思いをし始めて数ヶ月。


貴方は新しい彼女と


幸せに学校生活をおくっている。



その姿を横目に



俺は机に置かれている辞書に視線を移す。



何度も開いたそのページ。


跡がつく程開いたそのページ。


ある単語に付いた印。



《諸行無常》


何時かは散る「恋」と言う華。


俺達は実るのが少し早かったから

散るのが早かっただけ。



次俺の華が咲くのは


きっと貴方との華が


完全に散ってから――…




《諸行無常》
意味:この世にあるすべての物はたえまなく移り変わっていて常住するものの全くないということ。



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国語の授業で出て来たので、シリアスの短小説にしてみました;;

結構気に入った四字熟語ですvV
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