また繰り返す
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コンビニで適当に昼ご飯を買った。サンドウィッチとおにぎりとカフェオレだ。
無愛想なアルバイトの「ありがとうございました」という声は聞かない事にした。自動で開くドアを何の気なしに通り抜ける。カフェオレのストロー口にストローを差し込みちう、と飲む。
ちうちうと飲みながらとぼとぼとあてもなく歩くといつの間にか東応大学前に来ていた。
がらりとした大学内。ちらほら、両手で数えられる程の人が通って行く。
そしてその空間の中で。
一人立つ男が居た。
大きく折れ曲がった背中。よれよれのTシャツに色褪せたGパンを着ている。右手にはペロペロキャンディーを持っていた。しかもソレの持ち方がとても独特だ。汚物を摘まんで持つようなそんな感じ。
世の中には色んな人がいるんだ、と一人納得しながらしばらくその人を見ていると、こっちに振り向いて、そして近づいてくる。
「(やば…じっと見てたのバレたかな)」
内心どきどきしながら、少し視線をはずして「私は貴方なんて見てません」アピールをする。しかしその人は私の横をすっと通り過ぎて行った。
「(なんだバレてなかった)」
ほっと一息つく。安心したと同時に後頭部辺りがちくりと痛くなった。そっと触れる。でも何もない。
頭痛とは違う。なんだか、そう。怪我をした時のような痛み。
「(…ま、いいや)」
特に気にすることもなく、振り返って家に帰ろうとした。が、
「どうもこんにちは」
「わぁ?!」
顔色の悪い、さっきの人が真後ろに立っていた。あまりの驚きに後ろに倒れそうになった。
「な…何ですか?!」
「すみません何だか誰かの熱い視線を感じたもので」
「…」
バレていた。
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