その拳を突き上げろ

□よろしく
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「……」


何か不思議な夢を見たような気がする。まだはっきりとしない頭。鳥の囀りが静かに響く。まるで…。


「まるで、なんだろう…。」


時計に目をやると、そろそろいい時間だった。学校に行く支度をしなければ。












教室に向かう途中で順平くん会った。彼は眠そうに目を擦っていた。眠いときは授業中に寝るに限る!なんて馬鹿なことを叫んでいる。まあ、わからないこともないけれど。
他愛もないことを話しながら二人並んで教室へと向かう。


「おっ、有里!」


順平くんが元気よく手を上げて前を歩いていたらしい湊くんに声をかけた。


「伊織と紗希」
「あれ」
「おろ?」


私と順平くんが同時に頭を傾げた。


「湊くんと順平くん、名字で呼び合ってるんだ?」
「有里お前紗希っちのこと呼び捨てかよ」


いーなー、羨ましいーと呟いている順平くんを横目に湊くんは言った。


「昨日はちゃんと眠れた?」
「えっ?あ、うん。寝れたよ」
「そう」


それだけ言って湊くんはスタスタと歩いていった。


「なんだぁ?あいつ」
「さあ…?」


あまり気にとめず、改めて教室へと向かった



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