その拳を突き上げろ

□特別課外活動部
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久しぶりの登校。
転校早々だというのにこんなに長く欠席してしまうなど、数週間前の自分は想像もつかなかっただろう。


「はよーす。久々じゃん」


靴を履き替えていると順平くんがニヤニヤしながら話しかけてきた。


「なんでそんなニヤニヤしてるの」
「おっ、聞いてくれるか?実はさー…あーっと!言っちゃダメなんだった!」


今の無しな、無し!と、終始ニヤける順平くんを見ていると無性に腹が立ってきて、彼の腹にパンチをお見舞いした。
順平くんが腹を抱えながら地面に突っ伏している。


「順平…あんた何してんのよ」
「あ、ゆかり」
「っ…」


私が彼女の名前を呼ぶと驚いたように動きが止まった。


「…なんか、照れくさいなぁ」
「あはは。ゆかり可愛い」
「ちょ、何言ってるの」


ゆかりは頬を染めて目をそらした。


「お嬢さんたち…オレを放置しないでくれないかな?」
「そ、そうだ。話があるの、ちょっとこっちきて」
「ちょ、え〜…」


ゆかりは順平くんを華麗にスルーして、私の手を引いて歩き出した。


「体大丈夫?…………紗希」


少し上目遣いで、しかも頬を染めながらこちらを見るゆかり。相手が男だったらきっと勘違いしてしまうだろう。


「あのさ、起きて早々アレなんだけど。今日ね、理事長からあなたに…ううん。あなたと湊くんに話があるらしいの」


その名前を聞いた瞬間、全身に鳥肌が立った。



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