SHORT STORY

□マジパレード
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「みんなお疲れ様ー!」


紗希さんがドリンクとタオルを持って部室に入ってきた。そろそろ、部活が終わる時間だ。
一人ずつそのセットを渡していく。


「はい新名くん」
「いつもあんがと」


渡されたタオルで顔の汗を拭き取る。今日はいつもより動いたかも。
まあ、嵐さんには投げられっぱなしだったけど。


「新名くん今日凄く頑張ってたね。さっき嵐くんもそう言ってたよ?」
「まじ?」


なんだか二人に認められてる感じがして、嬉しくなって口が緩む。慌てて手で押さえる。


「いっぱい動いて汗かいたから、水分補給しっかりね」


ぽんぽんと肩を二回軽く叩かれた。紗希さんは背が人より小さいから(これを本人の前で言うとガチでキレられる)少し背伸びして、腕をピンと伸ばして俺の肩を叩く。
その姿が可愛すぎてまたニヤける。そして押さえる。これを一日に何度か繰り返す。


「ぐはっ!」


頑張ってニヤけを押さえようとしていた時に後ろから攻撃された。


「ぁあぁ嵐さん…痛い」
「お前、端から見てたらすげー気持ち悪かったから他の部員の代わりに俺が言ってやろうと思って」
「酷い…」


つか俺そんな気持ち悪い顔してたんだ。やべーやべー。


「今井。お前気をつけろよ?」
「十分心得てます」


紗希さんが笑いながらそう言う。ひでぇ。


「紗希さんひでぇよー」
「ふふっ!でも、本当にさっきの顔は凄かったよ?そんなに私可愛かった?…なんちゃって!」


自分で言ってて恥ずかしい、って言う紗希さんの顔がほんのり赤く染まってて凄く可愛かった。



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