過去拍手

□手を繋ごう
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今日は寒い

久しく暖かい日が続いていたが…

一気に冷え込んだ

部活後の汗をふいた身体に風は冷たい

「真田さ〜ん」

??

今の声は!まさか!

俺は声のした方に近づいた

……………

「何をしておるのだ…」

「何って…待ってたんですよ!一緒に帰りましょ〜」

待っていたのは付き合い始めたばかりの恋人だった

「風邪をひくではないか!馬鹿者!」

「だって…一緒に帰りたかったんだもん」

「はぁ…全く」

「はい」

「??なんだ?」

彼女が俺の手に何か持たせた

温かい…

「さっき買ったの。汗かいただろうし身体冷えるといけないから」

彼女がくれたのは…

温かい缶珈琲

「すまんな…いただこう」

飲むとほっとした

身体の芯に染み渡る

「お前は寒くないのか?」

「大丈夫です!たくさん着てるから」

「そうか…さ…帰るか…」

「はーい………??」

「こうした方が暖かいだろう?」

「………はい」

彼女は俺の差し出した手を取った

指先から体温が伝わる

初めて手を繋いだ

この寒い日を忘れない







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