駆ける赤と青
□あの日
3ページ/3ページ
「さてと…感が掴めたし次は青イノシシではなく手強い奴にして練習してみるか?」
あれから青イノシシで大分モーションがしっかりしてきた俺とクラインを見てキリトがそう言った
「おうよ!…って言いたいとこだが…俺飯食うから一度落ちるわ、ピザ頼んでるしよ」
「ピザ!?羨ましいな〜俺なんか白米と白身魚の煮物に味噌汁だぜ?」
「準備万端だな〜ホムラもよく献立覚えてるな…」
少し呆れたような声でキリトがそう言うがクラインは胸を張りながらおうよ!って言う
「ピザ何時くらいに来るん?」
「五時半には来るらしいからな
んじゃ!おりゃ落ちるわキリトやホムラもありがとな!」
「あぁ…また困った事があったら言ってこいよ!」
「乙〜♪」
「おう!あんがとな!ログアウトっと…」
クラインがログアウトボタンを探してる間俺はキリトと話す事にした
「そういやさ、キリトってやけに動きが軽やかだったけど説明書とかよく読んでやってたのか?」
俺がそう言うとキリトは苦笑いしながらまさかって言って
「俺はベータテスターだよ」
「ベータテスター?んだそりゃ?」
聞き慣れない単語に?マークが頭の中に広がっていく
「簡単に言うと体験版をプレイした人の事だよ」
「なるへそ!だからあんなにー」
だが会話はクラインの発言によって途切れた
「あり?」
「んぁ?どしたのさ?クライン」
「い、いや…ねぇんだよ…」
「なにがないんだ?」
なんだろう…なんか…
すげぇ嫌な予感がした
そしてその予感が的中した
「ログアウト…ログアウトボタンがねぇんだよ!」
ー今思えば
ー俺にとってソードアート・オンラインという名の世界が
ー楽しいだけの『ゲーム』であったのは
ー正しくこの瞬間だけだった
.