JOJO短編

□○○本
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※スタクル旅の途中。微裏注意。
 2p目花京院の場合、3p目承太郎の場合と分かれています。



皆とホテルへ向かっている途中、香は路地裏にあるものを発見した。
とにかくそれはヤバイものだった。新手のスタンドとかグロい死体とかと同レベルにすごい衝撃を受けた。自分でも何を思ったのか、”それ”を手に取り観察する。
女子高生が薄暗い路地裏でしゃがみ込んでいる姿は、通行人には不思議に思われただろう。
ページを捲ろうとしたその時、自分の名前を呼ぶ声がして”それ”をとっさに制服の下に隠してしまった。



「ジョースターさんに、単独行動は控えろって言われただろ。早く行こうぜ、皆に置いてかれちまう」

「う、うん、ごめんポルナレフ。アハハハハハ……」

「こんなとこでしゃがんで……腹でも壊したかァ?ウンコしに行くか?」



女の子に対してそれはないんじゃないか、デリカシーないなと憤りを感じつつ、怪しまれないように相槌を打った。腹痛を装い、腹を抱えながらポルナレフと共に皆の後を追った。

それにしても、どうして日本の『エロ本』がこの異国の地にあるのだろうか。



***



ホテルへ着いたジョースター一行は、各々与えられた部屋で休息を取っていた。
香はベッドのシーツの下に隠した本を気にしながら、相部屋相手の話に上の空状態で相槌を打つ。



「…香、さっきからちょいと元気がないんじゃあないか。まだ具合が悪いのか?」

「んー、考え事してるだけだから気にしないで下さい」



笑顔を取り繕って答えるとジョセフはそうか、とだけ言い少し不満げな顔をした。頼ってくれなくて寂しいといった表情だ。そんなジョセフのことを特に気にはせず、香は物思いに耽る。

別にこの本がバレたら自分の人間性が疑われるとか、そういうのを心配して隠している訳じゃない。ジョースターさんにこの本を、普通に見せてもいいと思っている。
だけど、その見せた後の反応が問題なのだ。
ジョースターさんは一瞬食いつきそうだけど、女の子がそんなもの見るんじゃあない! 波紋疾走!…てな感じで処分されそうだし。
アヴドゥルさんなんかは容赦なくマジシャンズ・レッドで燃えカスにされそう。
ポルナレフは……もう普通に食いつきそう、凄い想像できる。
そして、硬派なイメージのある花京院と承太郎の反応はイマイチ想像できない。
そう考えだすと気になってしょうがない。
お誂え向きに、今日あの2人は同室だ。この本を持って遊びに行くっていうのはどうだろう。



(フフフ……よし)



香はジョセフの目を盗んで、シーツの下にある本をもう一度自分の腹へと忍ばせた。
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