僕の血潮2
□寂しい人形
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人形が羨ましい…
愛されるために生まれてきた者達が
ひどく恨めしい…
僕達は愛されないから…
人形たちは微笑めばいい
そうすれば、
暖かい腕に抱かれて
慈しむように頬擦りをされて
護られるように頭を撫でられる
そんな人形がひどく恨めしい…
人形は自分から望まなくても
愛されることが決まっている…
でも、僕達は違う…
愛されることは見返りだから
役に立たなくては愛されない…
だけど、僕らはその術を知らない
分からないから傷付いた…
何も変わらないことは分かっていた…
傷付くことで見てもらえると
勘違いをして…
そんな自分が嫌いだった
だから、傷付くことで駄目な自分を
殺し始めた…
もしも、自分が殺せたら
心を持たない人形になれたら
ただ、微笑むことができたなら
愛してもらえるのだろうか…