TIGER&BUNNY
□電話番号
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「…なぁ、バニーの電話番号教えてくんない?」
仕事中にいきなり話し掛けて来た。よくある事だ。バーナビーはまたかと言う様に虎徹の方に顔を向けた。
「何ですかいきなり。それに聞いてどうするんです?」
「いや…それがさ、ロイズさんに言われたんだよ『コンビの結束力を高める為にプライベートでも連絡を取れ』って」
「何で貴方とプライベートでも話さないといけないんですか。僕は嫌ですよ」
そう言いながら視線をパソコンへと戻す。
虎徹は紙に何かを書き、バーナビーの机の上に置いた。
「これ、俺の電話番号」
「いりません。貴方に電話なんて掛けないので」
即返された。
それでも優しい口調を保ち、再び渡そうとする。
「いや、絶対必要だって。いいから貰っとけ」
「しつこいですね貴方は!お節介なんですよ!それに仕事をちゃんとしたらどうです?さっきから手が止まったままですよ?あと、もう僕に構わないで下さい」
「……そうかよ…」
渋々苦手なパソコンと向き合う。
しばらくするとロイズがバーナビーを呼び出した。
絶対怒られないんだろうなと虎徹は思った。
ちなみに虎徹は今日も怒られた。
ふと彼の机を見ると携帯が置きっぱなしだった。これはチャンスと思い、バーナビーの電話番号を紙にメモして、元に戻す。
それと同時にバーナビーが戻って来た。
虎徹は仕事をしている様に見せかけ、バーナビーに話し掛ける
。
「バニーちゃん何て言われたんだ?」
「貴方に関係ありません。じゃ、僕はこれで」
バーナビーの方が早く仕事が終わったらしい。
虎徹はさっきから全く進んでない。
(俺も早く帰りてぇな。……でもこの量じゃ今日も残業か…)