うたプリ短編
□どうしようもない私
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「うー…」
昨晩、行われた飲み会のせいで頭がガンガンして辛い、そしてなんだか気持ち悪い…。
最悪な朝だ。
夜に打ち合わせがあるからどうにかしなければ。
「キミには学習能力が無いの?」
リビングのソファーでだらしなく横たわる私を見下ろす冷たく優しい瞳。
「藍ちゃん…」
「はい、水。とりあえずたくさん水分取って。あとは熱いシャワーでも浴びてくれば緩和されるよ」
「んー…ありがと…」
早朝にメールで助けてって送ったら即来てくれて…深い深いため息を吐かれた。
キミのことだから何となく予想はしてたけどねって優しく頭を撫でてくれて…きゅんてなって、安心したら…吐いた。
介抱だって嫌な顔せずにしてくれる。
藍ちゃんは私の彼氏なのです。
「キミの身体はアルコールの分解力が少ないんだから毎回こんなことを繰り返すと良くないよ…。まあ好きで飲んでるならボクは何も言わないけどね」
「…………………」
「なに、ニヤニヤして気持ち悪い」
「んー…だって藍ちゃんが心配してくれてるんだもん。嬉しいじゃん」
少々怪訝な顔をしたが、藍ちゃんは私に近付き、お姫様抱っこをして……
え、なに、藍ちゃんまさか朝から??
しかし向かう先はバスルーム。
「え、藍ちゃんここで?」
「は?」
すとん、と…おろされる。
「着替え用意しておいてあげるからシャワー浴びておいで。」
「え、藍ちゃん…」
「だからさっき言ったでしょ。シャワー浴びるといいって」
「あ、さいですか…」
なんてエロいことを私は考えてしまったのか……泣きたい。
穴があったら入りたい。
むしろ埋めてくれ。
バスルームをあとにする藍ちゃんを涙目で見送ると、ふいに藍ちゃんが振り返る。
「…▲▲、言っておくけど、ボクには昼間から女を抱く趣味は無いから」
「う…」
冷たい…冷たいです…
扉の隙間から覗いてみると、すでに藍ちゃんは私の着替えを用意してソファーで雑誌を見ながらくつろいでいる。
あ。
目が会うと形のいい唇の端が少し上がった気がした。
はぁ…惚れてしまったほうが負けって言うけど、本当にそうだ。
あんな小悪魔みたいな少年に私は心底惚れてしまってる。
end.......
(藍ちゃん本当にしないの?)
(しないよ)
(……ケチ)